今日(9月12日)の新聞一面を飾ったのは、朝日新聞が昨日記者会見を開き「所員の9割が所長命令に違反して撤退した」と報じた5月20日朝刊の記事は誤報だと発表し、取り消しを認めたニュース。このニュースはWSJなど海外メディアでも取り上げられているというので、WSJの記事を読んでみた。以下ポイント。
- 安倍首相の厳しい批判者である朝日新聞の木村社長は昨日誤報について謝罪し、改革の遂行を約束した。
- 左翼系の朝日新聞の木村社長は、福島原発の吉田所長の証言をリークした記事の中で起きたと述べ、報道責任者(杉浦取締役)を解職するだろうと述べた。また自らも改革の糸口を開いた後、進退を決めると述べた。
- 原発そのものに継続的に批判的でかつ安倍首相の原発再開に批判的な朝日新聞は5月に吉田証言の一部を報道したのだ。
- この報道は福島原発のオペレーターである東電に疑問を抱かせるものであり、さらにそれ以外の電力会社に対しても疑問を抱かせるものであった。
- しかしライバルの産経新聞が吉田証言のコピーを入手し、朝日新聞は自分の主張を推し進めるために、故意に事態を悪く見せ、事実を捻じ曲げたと述べた。その後朝日の主張は監視されてきた。
報道機関が左であれ右であれ政治的主張を持つことは日本に限った話ではない。それは一向に構わないことである。むしろ政治的傾向がはっきりしている方が読者はその分割り引いて(あるいは加算して)判断できるので良いかもしれない。
しかし自己の主張を読者に押し付けるために、事実を捻じ曲げた報道を行ってはいけない。「報道の自由」には「事実を捻じ曲げる自由」までは入っていない。大部分の読者が新聞社にお金を払って記事を読む理由は「事実が知りたい」からである。従って「事実を捻じ曲げる」ということは、ボトムラインとしては読者に対する債務不履行である。
もしマスコミ以外の誰かが、企業の信頼を著しく、傷つけるような誤った「風雪」を流布すると、それが相場変動を目的とするものであれば、金融証券取引法により懲役または罰金が科せられる。またそれ以外の場合では業務妨害罪に問われる可能性がある。
大新聞といえども「ねつ造記事」に対しては刑事的・民事的責任を追及することを考えても良いのではないだろうか?