最近ちょっと残念なことがあった。それはシニア大楽が企画した講演と予定が合わなかったことだ。シニア大楽http://www.senior-daigaku.jp/ というのは、実社会で経験を積んだシニア層を自治体等が主催するセミナーに講師として派遣することを目的に設立されたNPO法人である。私は半年ほど前にシニア大楽に講師登録をしていた。講演テーマは「登山・トレッキング」「資産運用」「相続」だったと記憶しているが、登録以降声がかからないので、他に有力なスピーカーがいるのかしら?と半ばあきらめ殆ど忘れていた。
ところが数日前、シニア大楽の実質的な設立者であるF副理事長から電話があり、登山の話をして欲しいという。そこで日程をうかがうと11月5日とのこと。ところが11月初旬は恒例のネパールの小学校建設NPO法人活動とその後のトレッキングに重なるので私は日本にいないのである。「残念」「また来年でも」ということになった。
私に期待されたシニア大楽での講演はボランティアであり、講師料は誠に僅少なものである。しかし何名かのシニアの方々の前で「登山の話」をする機会が先延ばしになったことについて私は少し残念に思っている。
何故残念に思うか?というと、不特定多数の人の前で何かを話すということは、とても大事なことだ、と私は考えているからである。仕事や趣味、あるいはボランティア活動を通じて、人の前で話をする機会はあったし、今もある。だが意外に少ないのは「何か良く分からないけれど、話が面白れば聞いてやろう」という人の前で話をする機会である。
テーマや目的がはっきりしているスピーチでは聴衆の方は話が面白くなくても一応聞いてくれるから、話し手のペースで話をすることができる。しかし「何か面白いとこはないか」的な聴衆の方の心に届く話をするのは、難しいと私は考えているし、その経験も少ない。故にちょっとやってみたかった「講演」なのである。
これから我々が経験するのは、自分とバックグラウンドや興味のあり方がまったく違う人たちとのコミュニケーションの進め方ではないか?と私は考える時がある。それは、地域社会と上手く調和する知恵であり、そして正直なところ私の苦手分野であるのだが。
シニア大楽のF副理事長の話は一度だけ聞いたことがある。話のディテールは忘れたが、最初の3分程度で聴衆の方を引き付けなさい、という部分は印象に残っている。そしてそれにはユーモアのセンスが必要です、とF副理事長は仰っていた。だがこのユーモアというか小話的なところが中々難しい。
これはちょっとした雪山や沢を登るより難問ではないか?などと私は考えている。そして機会があれば、知らない人の前で「山登りの楽しさ」や特に「中高年にとっての登山の意味」などということを話すことで、自らを見つめる機会を得たいと私は考えているのである。
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