金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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弱かった8月の米雇用統計、でもエコノミストは強気

2014年09月06日 | 金融

昨日(9月5日)発表された8月の米国の非農業部門雇用者数は予想の他少なかった。

エコノミストたちの事前予想の平均値は225,000人増だが、発表された数字は142,000人だった。データがリリースされた昨夜9時半は、ドル円の為替相場を見ていたが、発表直後に円は40銭前後上昇したが、その後緩やかに値段を下げ、105円10銭弱のあたりで小刻みな動きを続けた。

瞬間的な円の上昇は、非農業部門雇用者数が予想より少なかったので、米国の利上げ時期が早まらないとの見方から円を売っていた筋が買戻しをしたためだろう。

ただしその後エコノミストたちが次々と、8月の雇用者数は異常だ、月間20万人ペースの雇用増のトレンドは変わっていない、来月以降数字の引き上げ修正が行われるだろうというコメントを発表したので、ドル円相場は105円台に戻ったと思われる。

過去を見ると8月の非農業部門雇用者数は、過去18年間で17回は事前予想より低い数字が出ている(LPL Financialのアナリストのコメント)ということだ。

失業保険申請者数が低い水準を保っているなど、他のデータを合わせて考えると、8月の非農業者雇用者数だけを見て、米国の労働市場に影がさしたと判断するのは、早計かもしれない。

失業率は前月比0.1%減少の6.1%となった。ただし労働市場参加率も62.9%から62.8%に0.1%低下した。8月の雇用統計はタカ派にもハト派にも強い論拠を与えるほどのものではなかったようである。

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