この暑い中、スキーの話題とは何事か?と思われる方も多いと思いますが、今月号の文芸春秋「悠々山歩き」に掲題の記事が出ていたので一言コメントです。
記事は登山家・岩崎元郎さんが連載してきた「悠々山歩き」の最終回のものです。記事によると一歳年齢を加える毎に体力は1%減少し、仮に20歳の時の体力を100とすると70歳では半分になっているそうです。
岩崎さんは70歳の人には「もう少し歩きましょうよ」と声をかけることができるが、80歳の人には無理に勧めることはできないと言います。そして「80歳の人にはスキーを勧めるというアイディアがひらめいた」といいます。
なぜなら「登山は重力に抗(あらが)うスポーツだけれど、スキーは重力に体を預けるスポーツ」だからです。
リフトを使って高いところに登りあとは重力を味方にして滑り降りるだけですから、スキーは登山より長く楽しめるスポーツであることは間違いありません。
ただし80歳でもできるスキーですが、80歳から始めるよりはもっと若い時から始めた方が良いことは間違いありません。
上手く滑ることができるようになる必要はありませんが、基本をマスターしてスキーを働かせるような滑りができると安全で無駄な体力を消耗しないスキーを楽しむことができます。
この点から私も山仲間にスキーを勧めているのですが、ただし全員が賛成してくれている訳ではありません。
中には「自然を楽しむのは好きだが、スキーは嫌いなので山登りをしている」という人もいるからです。
そんな人には「クロスカントリースキーから始めよう」などと色々手管を使っているのですが、必ずしも成果は上がりません。
長寿命化の時代、健康でいつまでも体を動かし、自然を楽しむスポーツを続けたいものですが、そのためにはどこかで少し飛び越えないといけないギャップがあるようです。ギャップを飛ぶなら若い時の方が良いと思うのですが、無理強いする話でもないので悩んでいるところです。