今日(3月9日)少し前にロイターに「トランプ大統領が5月までに北朝鮮の金正恩労働党委員長と会うことに合意した。何故なら彼は実権者だからだ」というニュースが流れた。このニュースの後日経平均は400ポイント以上定したが、その後は少し値を下げたものの高値圏で推移している。ドル円為替も106円台後半に円安に振れている。
市場はこのニュースを好感しているようだが、会談実現までには幾つかハードルはある。まず4月の文在寅韓国大統領と金委員長の会談だ。そしてその前にパラリンピック終了後まで延期されていた米韓合同演習をどうするかという問題もあるだろう。
さてそれらがうまく運んだとして北朝鮮は何を譲歩するか?その譲歩を米国は受け入れるか?という問題がある。北朝鮮が核と大陸間弾道弾の開発を全面的に放棄すれば、米国は経済的援助を提供するだろうが、それでは金政権は何を「人質」にして延命を図ることができるのか?ということになる。
金正恩は「米国が金政権を打倒しない」という担保を求めるだろうが、その担保は何なのか?
一つの可能性は大陸間弾道弾の開発は認めないが中距離ミサイルの保有・開発は認めるという案だ。これは韓国・日本を担保に差し出す方式である。何でもありのトランプ大統領だから何が飛び出すは分からない。
だが少し長い目で見ると北と南は平和裏に統合を図ることができるのか?という根本的な疑問が起きる。
政治体制・国民の価値観・教育レベル・一人当たりGDPなどがあまりに違い過ぎて、統合の道筋は私には見えてこない。
頂上会談を全面的な買い材料にするには早すぎるようだ。