ある顧問先の事務処理プロセスを見ていると、昨年辺りから流行りだしてきた「事務処理ロボット」で省力化できるのではないか?と直感した。
ただしこれまで私は「事務処理ロボット」を作ったことはもちろん触ったこともないので、思い付きでものをいうのも憚られるので、少しロボットに触ってみることにした。
「事務処理ロボット」RPA Robotic Process Automationは欧米生まれの技術であり、日本で販売されている製品も欧米のものが多い。
数あるベンダーの中で英国に本社を置くUiPath(ユーアイパス)社は個人使用バージョンを無料開放しているので、それをダウンロードしてインターネットで同社サイトやブログなどを参考にごく簡単な事務処理プロセスを自分で作ってみた。
内容は「あるウェッブサイトで表形式になっている画面をロボットに取り込み、CSVファイル化してエクセルで表示する」というものだ。
一般に「RPAはプログラムの知識がなくても、GUI(グラフィカル・ユーザ・インターフェイス)で、機能をメニューの中から引っ張ってきてフローチャートの中に落とし込めば作成できる」と簡単に言われている。ところが聞くとやるでは大違いでそんな簡単に行く訳ではない。UiPathの場合300以上の機能(アクティビティというそうだ)を揃えているそうだが、まず「どんなことができるのか?」というメニューがある程度頭の中に入っていないと上手く進まない。
見よう見まねで何とか上記のような仕事はロボットにさせることができたが、実際の業務はこんな単純なものではないので、事務処理のロボット化と口でいうのは簡単だが、実装するのは大変だろうな、と感じた次第。
歳を取ってくると新しいことをするのが面倒になってくるので、若い人中心でないとこのようなプロジェクトは進み難いだろう。
それらのことを承知の上で、私は顧問先にはRPAの導入検討を勧めたいと考えている。
理由は2つある。第一に志の高い若い人がRPAを勉強して、単純作業のロボット化を進めるなら、何人かの作業者を単純作業から解放してより創造性の高い仕事に従事してもらうことが可能になるからだ。
第二にやがて到来するAI時代への助走になるからである。人工知能はある日突然やってくる訳ではない。自動運転車が自動ブレーキ・前車追尾システムなど色々な仕組みが組み合わさって実現に向かって進んでいるように、人工知能を使った業務の自動化もRPAなどの積み重ねの中で実用化されていくだろう。
そしてこれは企業として導入する理由にはならないと思うが、歳を取っても志のある人には「頭の体操」として取り組んでもらっても良いのではないか?と私は考えている。
特に欧米産のロボットを使う場合、機能は英語で記述されている(ビデオ等はかなり日本語化されている)ので、英語の勉強にもなる訳だ。
と大変偉そうなことを書いてみたが、実際のところ私はロボットに作業を教えることに苦労しているのである。「言うは易く行うは難し」である。