金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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米韓貿易協定、北朝鮮要人の北京入りなどの関連を考える

2018年03月27日 | ニュース

米国は鉄鋼・アルミの輸入に特別関税を課すと宣言していたが、韓国がその規制から恒久的に除外されることが明らかになった。

理由は米韓が自由貿易協定の改正に合意したことにある。

WSJによるとムニューチン財務長官は「韓国は米国に輸出する鉄鋼の削減を削減することになる。これは絶対的なwin-winだと思う」と述べた。

同紙によると韓国は現在の鋼材輸出量の7割まで輸出量を下げるという。また韓国は米国の安全基準は満たしているが韓国の安全基準は満たしていない米国車の輸入量を年間2.5万台から5万台に引き上げることに合意した。

米韓はおそらく日本の政治外交関係者が予想していたよりはるかに速いペースで合意に達したが、その背景を推察すると、今米中および韓国・北朝鮮の間で、日本を蚊帳の外に置いた何かが進行しているのではないか?と思われる。

その材料の一つが今朝のマスコミで報じられた北朝鮮トップクラスの要人が列車で北京入りしたというニュースだ。

報道が事実だとすると、北朝鮮は来月以降予定されている韓国・米国との首脳会談の前に中国に仁義を切りに行ったということになる。

逆に言うと北朝鮮の韓国・米国首脳とのトップ会談にかける本気度が高いということだ。

また懸念されていた米中間の貿易摩擦も中国が米国製半導体の輸入を増やす等の案を提示したことで緩和方向に向かうという見方が広がっている(だから昨日の米国株は急反発した)。

中国も米国と事を構えることを避け、何らかの実質的な見返りを得ようとしているようだ。

最近発刊されたトランプ暴露本によると「トランプ大統領の本当の望みは大統領になることではなく、有名になること」だったらしい。

だが図らずも?彼は大統領になった。米国大統領は1期で終わると失敗だったと判断される可能性が高いから、彼は再選を目指すだろう。

「有名になりたい」という彼のモチベーションを推測すれば、北朝鮮との歴史的な和解を強く望んでいると考えるべきだろう。

外交面の側近を北朝鮮強硬派に入れ替えた背景は、内外に強気の姿勢を示しながら、交渉の着地点を探していることがあるのではないだろうか?

一方北朝鮮側もこの辺りが潮時とみて、米国を脅威にさらすようなICBMの開発は行わないという程度の落しどころを準備しつつあるのではないだろうか?

このような仮説の補助線を引いてみると貿易摩擦の問題と北朝鮮問題の間には、大いに関連があると思われる。

巷間安倍首相とトランプ大統領は仲が良いと言われているが、アメリカファースト(そして自分ファースト)のトランプ大統領の場合、俺の言うことを聞かないとバッサリ切るというブラフをかけてくるのではないか?などと私は考え始めている。

無論根拠の薄いguessworkに過ぎないが・・・・

コメント
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