昨日(3月1日)トランプ大統領は鉄鋼メーカー幹部との会談で、国防上の理由から鉄鋼・アルミの輸入制限を発動すると発表した。
具体的内容は来週大統領が決めるということだが、鉄鋼に25%、アルミに10%の追加関税を課す内容ということだ。
このニュースが流れるまで比較的堅調に推移していた株式相場は急落。ダウは420ポイント(1.68%)下落した。
株式相場が追加関税を嫌った理由は、貿易相手国が報復措置に出て、貿易活動が鈍化する結果企業業績が悪化すると予想するからである。
また関税は最終的には製品価格に転嫁されるので、消費者物価の上昇要因になると判断された。
日経新聞には米中貿易摩擦を警戒とあるが、鉄鋼についていえば、中国はアメリカの11番目の輸入国で、最大の輸入国はカナダで、ブラジル、韓国が続く。
米国政府の中には中国との貿易不均衡を改善したいという思いが強いが、今回の措置は中国を名指ししたものでないので、中国はいきなりハードな対抗策を打ち出さず、カナダなどの出方を見るのではないだろうか?
安全保障を理由とした輸入制限はWTO(世界貿易機構)が例外的に認めている措置だが、米国(特に共和党)の中でも反対する声が目立つ手法だ。ギャラップの世論調査によると7割のアメリカ人は貿易の拡大は米国に経済成長の機会を提供するとポジティブに考えている。輸入制限を支持する人は25%に過ぎない。この傾向は今年に入って強まっていただけに、今回のニュースはサプライズのように思われる。
とんでもないところから、さし水が入ったなぁ・・という感じだ。