山手線に乗っているとワイドスクリーンに、複数の消費者金融と複数の英語学校のコマーシャルが交互に流れていた。時々ビール会社の広告を交えて。
いずれも若い人をターゲットにした広告である。むろんこれらの広告は「景品表示法」でいう誇大広告には該当しないが、私はある種の落とし穴を持った商品を広告していると感じた。
たとえば消費者金融会社の広告には「30日間無利息(初回のみ)」という文字が躍っている。最初の30日借入が無利息であることは間違いないだろうが、ここで思考停止をしてはいけないだろう。1回限りの利用なら30日無利息を使ってもよいが、反復して利用するなら絶対的に金利が低い会社を選ぶ方が良い。できれば三菱UFJ銀行カードローンなど銀行系のカードローンを選ぶべきだ。
英語学校の広告も「学校に通うと英語が上達する」という短絡的発想を惹起するので要注意な広告だと私は考えている。
私が周りの人を見てきたところでは、具体的目標を持たずに英語学校に通って英語が上達した人はいない。逆に具体的目標を持っている人の中には上達した人もいたが。
つまり大事なのは具体的目標である。具体的目標の代表例は海外赴任だろう。この場合は自分の生活に直接影響を及ぼすので真剣に勉強する訳だ。
だが東京オリンピックで外国人観光客が増えるから英語で話をする機会があるだろう、という程度の気持ちで勉強しても英語は上達しないと私は考えている。
最後にサプリメント。これはシニア層をターゲットにしているから、車内広告ではなく新聞の紙面を飾ることが多い。
これも気休めではないだろうか?もっとも薬にはブラセボ効果(偽薬効果)があり、効能のない薬を飲んでも病気が治ることがあるそうだから、サプリメントにも気休め以上の効果があるかもしれない。
ただ医学的には軟骨の成分であるコンドロイチンを口から飲んでも軟骨が形成され膝痛が治るということはないと医師は言っている。
これらの広告は効能を過大に喧伝していない(しないように注意している)ので誇大広告には該当しないが、ゾーンぎりぎりのくせ玉であると私は感じている。