金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

消費者金融・英語学校・サプリメント、思考停止を招く3つの要注意広告

2018年08月01日 | うんちく・小ネタ

山手線に乗っているとワイドスクリーンに、複数の消費者金融と複数の英語学校のコマーシャルが交互に流れていた。時々ビール会社の広告を交えて。

いずれも若い人をターゲットにした広告である。むろんこれらの広告は「景品表示法」でいう誇大広告には該当しないが、私はある種の落とし穴を持った商品を広告していると感じた。

たとえば消費者金融会社の広告には「30日間無利息(初回のみ)」という文字が躍っている。最初の30日借入が無利息であることは間違いないだろうが、ここで思考停止をしてはいけないだろう。1回限りの利用なら30日無利息を使ってもよいが、反復して利用するなら絶対的に金利が低い会社を選ぶ方が良い。できれば三菱UFJ銀行カードローンなど銀行系のカードローンを選ぶべきだ。

英語学校の広告も「学校に通うと英語が上達する」という短絡的発想を惹起するので要注意な広告だと私は考えている。

私が周りの人を見てきたところでは、具体的目標を持たずに英語学校に通って英語が上達した人はいない。逆に具体的目標を持っている人の中には上達した人もいたが。

つまり大事なのは具体的目標である。具体的目標の代表例は海外赴任だろう。この場合は自分の生活に直接影響を及ぼすので真剣に勉強する訳だ。

だが東京オリンピックで外国人観光客が増えるから英語で話をする機会があるだろう、という程度の気持ちで勉強しても英語は上達しないと私は考えている。

最後にサプリメント。これはシニア層をターゲットにしているから、車内広告ではなく新聞の紙面を飾ることが多い。

これも気休めではないだろうか?もっとも薬にはブラセボ効果(偽薬効果)があり、効能のない薬を飲んでも病気が治ることがあるそうだから、サプリメントにも気休め以上の効果があるかもしれない。

ただ医学的には軟骨の成分であるコンドロイチンを口から飲んでも軟骨が形成され膝痛が治るということはないと医師は言っている。

これらの広告は効能を過大に喧伝していない(しないように注意している)ので誇大広告には該当しないが、ゾーンぎりぎりのくせ玉であると私は感じている。

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証券、柱の個人部門失速、個人の低コスト指向なら歓迎

2018年08月01日 | 投資

日経新聞(8月1日)に「証券会社4-6月の個人営業部門の収益に急ブレーキがかかっている」という記事がでていた。

膠着相場で個別株の売買が細っている上、コスト意識に目覚めた個人投資家が信託報酬が低いインデックス運用にシフトしていることが原因のようだ。

個人投資家がコスト意識に目覚めETF(上場型投信)などインデックス運用に向かうことは正しい資産運用の方向であり歓迎するべきいことである。

現在の日本の長期金利は0%から0.1%程度。資産運用の長期目標利回りは長期金利+アルファだ。アルファは株式運用で叩き出すが、精々2~3%である。

つまり超低金利下では金融資産を3%程度で運用できると御の字なのである(もちろんこれより高いリターンを上げる人もいるがそれは幸運の賜物でしかない)。

絶対的な利回りが低いので、信託報酬や販売手数料の投資リターンに占める比率は高くなる。

現在はリターンを求める攻めの時代ではなく、コストを抑える守りの時代なのだ。

こんな中でやってはいけないのが、テーマ型投信への投資だ。

もっとも言うは易く行うは難しだる。

やってはいけないことは百も承知しているが、それでも面白いと思って買った「ロボテクスファンド」(AI関連企業に投資するファンド)で私も苦い思いをしている。徹底的にパフォーマンスが悪いとすぐ損切りして他の投資に切り替えるのだが、水面から顔を出したり少し沈んだりしているのでついつい保有を続けている。

このようなパフォーマンスの良くないアクティブファンドは運用会社に運用報酬を払っているだけなので、手じまいするべきなのだ。

だが厄介なことに人間には失敗を認めたくない「認知バイアス」がある。心理学ではsunk cost (埋没費用)biasと呼ぶそうだ。

バイアスのないロボットならさっさと手じまいができるのだろう。ロボテクスファンドならぬロボット運用ファンドを買うべきだったのかもしれない(笑)。

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