高齢化が進む米国でも、高齢者の認知機能障害により金を騙し取られることが増えている。
WSJにBanks monitor older customers for cognitive decline~銀行は高齢者の認知低下をモニターする~という記事がでていた。
概要は後程紹介するが、この記事で私が一番ショックを受けたのは、非営利団体・全国成人保護協会が「高齢者から金を騙し取っている犯人の9割は家族・介護者・牧師、医師、弁護士などの職業的受託者」と推定していることだった。
今年6月に証券取引員会が発表したところでは、過去1年間で米国の高齢者の6.6%が金を騙し取られている。二つのデータを掛け合わせると米国の高齢者100人の内6人は彼等を保護すべき立場にある人により、お金を騙し取られていることになる。
記事の本文に話を戻すと、幾つかの銀行では、人工知能を使って顧客の奇妙な動き~たとえば深夜にATMからお金を引き出す~を分析し、高齢者顧客の認知能力の低下を検知している。
また最近では、認知能力が低下した顧客に関する情報を金融機関同士で共有することで顧客の金融資産の保護を図るような動きも出てきた。これはマネーロンダリング防止に関する情報共有と同じ考え方によるものだ。
幾つかの金融機関の中には高齢者の顧客に「もしお望みならご家族にあなたの銀行勘定を閲覧する権限~ただし引き出し等の資金移動権限はない~を保護レイヤーとしてあたえましょうか?」という提案を行っているところもある。
これは良いアディアに見えるが、実は金融資産の搾取の9割は、認知障害により異常な財産費消を監視するべき家族や職業的受託者により引き起こされていると記事は続けている。
もしこれが事実であれば、高齢者顧客の認知能力が低下しているということを家族などに伝えることは、狼に獲物のあり場所を教えることになる場合もありうるという訳だ。
日本にこれに類する統計があるかどうかは知らないが、状況はある程度似通っていると考えておいた方が良いかもしれない・・・