今日5月1日午前8時東京では青空が広がってきた。清々しく令和初日を迎えたことは喜ばしい。
ところで「令和」はパソコンで「れいわ」と打っても、自動的に転換しないので、まず最初に単語登録を行った。
次にWSJ東京支社長ピーター・ランダース氏が数日前に書いたA new emperor asceds in changing Japanというエッセーを読んだ。
日本の大手紙は当たり障りのない記事が多い中、外国人記者は新天皇をどのように見ているのか?と関心があったからだ。このような視点は大事だと思う。例えば今月下旬に来日するトランプ大統領もWSJの記事を読んでくるだろう(恐らく)。読んでくるとすれば、大統領の中に「新天皇に対する期待」が生まれるはずだ。
ランダース氏の視点は「戦後の日本の天皇は象徴だけれども、日本の社会に静かな力を持っている」というものだ。
彼は戦後の米国による沖縄統治に関する昭和天皇の関与について次のように言及している。Behind the scenes, though, Hirohito hadn’t given up his efforts to serve as a geopolitical strategist.戦後昭和天皇は政治から離れられたが、地政学的ストラテジストとして役にたとうとする努力を放棄した訳ではなかった。
ランダース氏は昭和天皇は米軍が25年~50年間米軍が沖縄統治を続けることを希望していたという。
平成天皇は沖縄を慰霊のため11度訪問されているが、これは太平洋戦争で甚大な被害を受けた沖縄の人々に悔恨の念を示すとともに、昭和天皇の地政学的戦略を批判したものだとランダース氏は述べている。
またランダース氏は美智子上皇后が2013年の記者会見で、1880年代に東京郊外市民が起草した「五日市憲法草案」に言及し、言論・宗教の自由や法の下での平等という概念は、戦後占領軍に押し付けられた憲法によるものではなく、日本の元々あったものと述べられたことにも言及する。そしてランダース氏は美智子上皇后の発言は、現在の憲法は占領軍に押し付けられたものだとする安倍首相達の意見を牽制するものだとする人の意見を紹介している。
ことの真偽はさておき「天皇が日本の社会のものの考え方に静かな影響力を持っている」ことは正しく認識しておいた方が良いだろう。
さて徳仁新天皇は所得格差の拡大や世界各地で拡大する紛争問題に高い関心をお示しになっている。また人口減少を補う形で150万人の外国人労働者が日本に滞在する時代になっている。
記事は次の文章で結ばれている。『米ポートランド州立大学の日本学者ケネス・ルオフ氏はこう話す。「日本人であることの意味を新たに定義する必要が出てくるだろう。それは血統に基づく定義ではない」』