金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ATM減少雑感

2019年05月27日 | 金融

今朝(5月27日)のNHKニュースで「世界のATM台数初めて減少」と報じていた。世界で一番ATM台数が多い中国でキャッシュレス化が進みATMが減ったことや、米国で銀行支店の統廃合が進んだことが大きな原因だ。ちなみに日本でもこの10年間で初めてATMが減少したという。

ATM=Automated Teller Mashineはその名のとおり、銀行窓口で顧客がテラーに依頼して行う業務を自分で行うことができる機械だ。自分で行う業務の代表例は通帳記帳や他人口座への送金である。一方現金の受払しかできない機械をCD=Cash Dispenserという。

大雑把にいうと銀行店舗内にある機械はATM、コンビニ窓口にあるのはCDと私は整理している。一般的にはどちらもATMと呼ばれているが、コンビニ窓口の機械は通帳記帳機能や送金機能がないからだ。

ただし統計上はATMもCDもATMとして扱われているので、減ったのがATMなのかCDなのかはこのニュースだけでは分からない。

経費削減に頭を痛めている日本の銀行に私が提案したいことは、「狭義のATMを減らそう」ということだ。

つまり通帳記帳や送金を行うことができる高度な機能を持ったATMを減らし、現金受け払いオンリーのCDについては顧客利便性を重視ながら対応していこうという提案だ。

このATM削減策を実施するには、先行してあることを実施しなければならない。それは「普通預金の無通帳化」だ。普通預金の通帳を廃止して当座預金のように月単位で異動明細を送付する(あるいはインターネットバンキングでダウンロードする)方式に切り替えることだ。

今ゆうちょ銀行を含む多くの銀行で無通帳化は進められている。ただし通帳発行を希望する預金者には通帳が発行されるので、実際には無通帳化はそれほど進んでいないと私は見ている。

銀行にとって無通帳化するメリットは大きい。

第一に印紙代を含む通帳発行コストをゼロにすることができることだ。次にATMから通帳記帳機能を削除することができることだ。これは特に銀行合併時にATM統合コストを削減できることにつながる。また通帳記帳機能を取り除くと複数の銀行でATMを共同利用することが可能になり、コスト削減につながる。

一方預金者側からは「預金残高の推移を長期間にわたって確認することができない」という不満がでるだろう。ただしソニー銀行などネット銀行は初めから無通帳だし、証券取引は総てステートメント方式で通帳はないから、銀行側はツールを提供することで、顧客の要求をかなえていくことは可能だ、と私は考えている。また無通帳化によるコスト削減メリットを諸手数料の削減という形で預金者に還元していくことも重要だろう。つまりIT化のメリットを預金者・銀行で折半していく訳だ。

無通帳化は完全に実施(つまり完全に通帳廃止)しないとメリットがでない。少しでも通帳が残るとATMに記帳機能を実装する必要があるからだ。

新しいことには銀行・預金者双方に抵抗があるだろうが、そろそろ乗り越えるべき時期ではないか?と私は考えている。

 

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夏の朝は各駅停車に乗って

2019年05月27日 | うんちく・小ネタ

5月というのに30度を超える真夏日が続いている。

寝苦しいという程夜中の気温が上がることはないが、それでも朝早く目が覚める。

早く起きるので、顧問先に出かける日の朝も余裕がある。余裕があるから少し早めに自宅を出て極力各駅停車に乗るようにしている。

田無発の始発列車に乗ると座っていくことができる。

座ることができるとゆっくり本を読んだり、目が疲れたらしばしうたた寝することができる。

座っていると押されてもみくちゃになることがないのでストレスが溜まらない。

途中で2,3本急行電車や準急電車に抜かれるが、気になることはない。

「お急ぎの方はどーぞ」である。各駅停車は急行電車より空いているので、各駅停車を利用することは、全体として通勤時の混雑緩和に役立っていると思う。こちらはそんな殊勝な気持ちで各駅停車を利用している訳ではないが。

一歩下がって行動すると世の中楽に過ごせることがある。

オフィス街のランチは正午を外せば楽に座ることができる場合が多い。

会社人生も急行電車に駆け込むよりも、一足下がって各駅停車で楽に通う方が理にかなっている。

ただこのような知恵は会社勤めをしている頃は出てこなかった。

全力疾走を止めてのんびり歩き始めて見える景色である。

そのことを悔やむ必要はない。気が付いた時から各駅停車に乗ればよいのである。

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