昨日(8月1日)トランプ大統領は、唐突に「9月1日から中国からの輸入品3千億ドル分に関税をかけるだろう」と発表した。
中国からの輸入品2千5百億ドル分については既に関税がかけられているが、9月1日から関税対象になるのは、スマートフォン・衣料品・玩具といった消費財なので、消費者の懐への影響は大きい。
この突然の動きに朝方前日のマイナス分を取り戻す勢いだった株式市場は大幅下落に転じ、ダウは結局281ポイント1.1%下落した。またオイル価格は8%も下落。
上海で行われていた米中高官会議は具体的な成果を上げることができず、トランプ大統領は「中国は米国から大量の農産物を買うと約束しながら、輸入を増やしていない」「習主席は(麻薬の一種である)合成オピオイドを米国に販売することをやめると言いながら実行していない」などと不満を述べていた。
9月1日から関税が引き上げられるとなると米国の消費者の懐への影響も大きいが、中国経済へのダメージも大きい。
果たしてトランプ大統領は本当に関税を引き上げるのか?それとも中国から譲歩を引き出し、交渉のテーブルにつかせるブラフなのか?
米国内では共和党支持者の約3/4が中国への関税を支持し、民主党支持者の約3/4が関税に反対する状況になっている。
中国政府としては、大統領選挙で民主党候補が勝つことを期待して、少しでも貿易交渉を長引かせたいというのが本音だろう。
トランプ大統領の脅し作戦が勝つのか?それとも習近平主席の忍耐作戦が勝つのか?
いずれにせよ米中貿易問題で揺れる8月の相場はボラティリティが高まることは間違いなさそうだ。