昨日発表された米国1月の雇用統計は事前予想を上回る強いものだった。
1月の非農業部門雇用者増はWSJによるエコノミスト予想150千人を大きく上回る467千人だった。また11月と12月の新規雇用者数は合計で709千人上方修正された。
失業率は前月の3.9%から0.1%上昇し、4.0%になった。ただしこれは職探しをする人が増えた結果であり、雇用市場の強さを表している。
1月の賃金上昇率は前年同月比5.7%でパンデミック前の水準(3%)の倍近い水準だ。
オミクロン株による感染拡大が続く中でも米国の雇用市場が極めて強いことを印象付ける雇用統計だった。
この強い雇用統計が3月のFOMCで連銀が政策金利引き上げることに対する確信を高め、10年物国債利回りは前日の1.825%から1.930%に上昇した。長期金利が上昇すると株が売られることが多いが昨日はダウを除いて株価は上昇した。
S&P500は0.5%、ナスダックは1.6%上昇し、ダウは0.1%下落した。S&P500とナスダックの株価を押し上げたのは前日の場が引けた後発表されたアマゾンの好決算だった。アマゾンの株価は昨日14%上昇した。
先週を通じてはは3指標ともプラスで終えることができた。ナスダックは2.4%上昇、S&P500は1.5%、ダウは1%上昇した。
だが振幅の大きな1週間だった。
WSJは先週の株価上昇をHard-won(苦労してやっと手に入れた勝利)と表現していたが正鵠を得ている。メタ(フェイスブック)株の大幅下落の次にアマゾン株の急騰がきて相場を上昇させた。個別株の株価を予想することは難しいが、指数に投資しておくとリスクが分散されるという教訓が生かされる相場だったと思う。