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プーチンの野望はウクライナを越えている?

2022年02月22日 | ニュース
 昨日(2月21日)プーチン大統領は親ロシア派が実効支配するウクライナ東部の独立を承認したことを受けて株価は下落している。今日の日経平均は一時500円以上値下がりした。昨日アメリカは休日(ワシントン大統領誕生日)だったが、先物市場ではダウが400ポイントほど下落している。
 ウクライナを巡る紛争が長引く可能性が高まったので投資家がリスク資産を売り、安全資産を買う動きを高めたのだ。
 ひょっとするとプーチン大統領が今回のウクライナを巡る紛争を通じて得ようと思っているものが、ウクライナの一部をロシアの勢力圏に置いたり、ウクライナがNATOに加盟することを阻止する以上ものではないか?と考え始めた投資家が増えているのかもしれない。
 WSJにプーチンの野望を示唆する記事があった。
 Putin's Endgame: Unravel the post-cold war agreements that humilitated Russia「プーチンの大詰め:ロシアにとって屈辱的な冷戦終了時の合意事項を解きほぐすこと」だ。前文は「モスクワの軍事力はウクライナを脅しているが、より大きな懸賞金はロシアの影響力を東欧全域で回復することだ」と述べている。
 記事はソビエト崩壊時の駐モスクワ英国大使だったロドリク・ブレスウエートの「ソ連の崩壊時の屈辱、NATOの拡大、ロシア・ウクライナの歴史的関係に関する見方はプーチン大統領特有のものではなく、多くのロシア国民の感情でもある」と述べている。
 ロシアはNATOの勢力拡大の抑制を求めるだけではなく、1997年以降NATOに加盟した東欧諸国からアメリカ軍の撤退も要求している。
 一方記事はもしロシア軍がウクライナに侵攻すればロシアが勝つだろうが、敵対する民衆を征服することは泥沼状態を生む可能性が高いという西側の軍事評論家のコメントを紹介している。
 これまでジョージアや2014年のウクライナ紛争でプーチンは目指すものを手に入れてきた。
 だがもしロシアの影響力を旧ソ連圏で回復しようとするとそれは目標が高過ぎると私は思う。だがプーチンは要求範囲をどこまでに抑えれば良いかを知っているかどうかが気になるところだ。

コメント
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