金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

アマゾンのプライム会費値上げで何が起きるか?

2022年02月06日 | デジタル・インターネット
 アマゾンは先週好決算と同時にプライム会費の値上げを発表しました。値上げをするのは米国のプライム会費で日本のプライム会費は含まれていません。少なくとも当面は。
 会費は月額12.99ドルが14.99ドルに。年払いの場合は119ドルが139ドルに20ドルの値上げとなります。139ドルは現在の為替レート115円で換算すると約16,000円です。日本のプライム会員の年会費は4、900円ですから3倍以上ですね。
 今回の値上げは、もちろん一部のユーザからは不満の声はあがるでしょうが、アナリストなどは値上げを肯定的に見ているようです。
 今回の値上げの理由が「メンバーシップ特典の継続的な拡大」と「人件費と輸送費の上昇をカバーすること」にありますが、アマゾンが過去プライム会員に無料の音楽や映画の配信、電子本の読み放題サービスなどのメニューを拡大してきたからです。
 WSJはある技術アナリストのPrime remains a bargain, if you use the service often enough(頻繁にサービスを利用するのであれば、プライム会員費はお買い得です)という意見を紹介していました。
 パンデミックの影響で自宅滞在時間が長くなる中、ビデオや音楽鑑賞に費やす時間が増え、食料品もホームデリバリーで購入する人が増えているアメリカではアマゾンの便利さを消費者は知っているので値上げをしても会員数が大きく減るようなことはないというのが大方の見方なのでしょう。
 アマゾンの競争相手は日用品の販売ではウォールマートであり、ビデオや音楽配信ではネットフリックスやHuluですがそれらのサービスは個別に提供されています。しかしアマゾンのプライム会員になると日用品や食品の無料配送サービスやビデオ・音楽配信に加えて、アマゾンフォトという無料のオンラインストレージサービスを受けることができます。
 何だかアマゾンの宣伝を書いてしまいましたが(笑)、私がもしアメリカのアマゾンプライム会員であれば、会費が上がるこの機会にできるだけアマゾンの特典を活かそうと考え、利用するサービスをアマゾンに集中していくような気がします。
 さて日本でもプライム会費の値上げはあるのでしょうか?
 アマゾンは今回の値上げを含め過去3回プライム会費を引き上げています。
 この内初回(2014年)の値上げはアメリカでの値上げに留まり、日本の会費は据え置かれました。しかし次の2018年の値上げでは日本の会費も引き上げられました。
 今回引き上げれれるとすれば、日本のプライム会員の特典も十分拡大しており、値上げをしても顧客離れが起きないとアマゾンが判断する場合でしょう。

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