ウクライナがハルキウ州の大部分を奪回したことは間違いない。同州の新ロシア派幹部もロシアが包囲殲滅されることを恐れて全面的に撤退しただろうと述べている。
ハルキウ州の奪回はウクライナ戦争が始まって以来、ウクライナ側の最大の勝利だが、これが直ぐにロシア側の全面撤退と戦争終結につながるという見方はないようだ。
むしろ通常兵器による戦線立て直しが困難になった場合、プーチンは戦略核の使用という禁じ手を使う可能性があるとWSJは"What if Putin uses a nuclear weapon in Ukraine?"という記事で示唆していた。
記事は結論として、これは1962年のキューバ危機の再来なので、バイデン大統領はケネディ大統領のように毅然と振る舞い、プーチンの野望を事前に挫く必要があると述べている。
これまでの米国の戦略は、プーチンを「全面撤退」か「核使用」かという二者択一に追い込むものではなく、ウクライナがにそこそこの反撃力を提供するものだった。おそらくロシアの世論が反戦に傾き、世論の圧力でプーチンが戦争終結に向けて動くことを期待しているに違いない。
しかし戦争の行方を左右するのは勢いというものだ。ハルキウ州におけるロシア軍の撤退がもし戦線全体に広がった場合、プーチンが非常手段に出る可能性を完全に排除することはできないだろう。
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