先週成立した働き方改革法案は、海外の人にも関心のあるニュースらしく、WSJが記事に取り上げていた。
タイトルはJapan's idea of a work-life balance:99 hours of a overtime a monthというもの。日本語でいうと表題のとおりである。
働き方改革法案は残業時間の上限規制を定めただけでなく、同一労働同一賃金の原則を明確にし、また脱時間旧制度を導入している総合的なものなので、月当たりの残業時間の上限を100時間未満に定めたことのみを強調するのは、読者の受けを狙ったタイトル、と言わざるを得ない。
それは欧米人の中に日本人を含む東アジア人は働き過ぎである、ワーク・ライフバランスを無視した社畜のような連中と経済競争をするのはかなわない、という考え方があることを反映しているのだろう。
記事を読んでいくと、「残酷な長時間労働文化は東アジアでは一般的で変革を望んでいるのは日本だけではない。韓国ではこの日曜日から周辺りの労働時間の上限を52時間に制限する改正労働法が発効する」と報じている。
韓国の法定労働時間は周40時間なので、月当たりの残業時間の上限は12時間になる訳だ。
日本の場合働き方改革法案では、残業時間は原則月45時間と定めているので、韓国の残業時間月12時間というのは、相当大胆な規制である。
もっとも年平均労働時間が2千時間を超え世界的にも最悪レベルと言われている韓国で果たして、この法律が遵守できるのかどうかかなり疑問だ、と私は考えている。
平均労働時間でいうと韓国はメキシコ、コスタリカについで労働時間の長い国だが、日本の労働時間は年1,710時間と世界的には中位程度の長さである。因みに米国の労働時間は1,780時間と日本より長い。欧州諸国ではドイツの労働時間は、1,356時間と飛び抜けて短いが英国は、1,681時間と日本より若干短い程度である。
ただしこれは統計上の話で、統計に現れない残業暗数などを加えると日本の労働時間はもっと長いだろう。
また狭義の労働時間ではないが、通勤時間も働くための拘束時間と考えると日本の労働に伴う拘束時間は長い。
健康を維持する、余暇を活用するという点では、満員電車での通勤時間が長い日本の課題は、多様な働き方を可能にすることにあるような気がする。
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