昨日発表された5月のPCE(個人消費支出)価格指数は前年同月比3.4%上昇した。連銀が政策決定上重視しているこの物価指数は1990年代前半以降では最速の上昇幅を見せたが、アナリストの事前予想通りだった。
5月のコア価格指数の上昇率は0.5%で事前予想の0.6%より低かった。これらのことから統計データは連銀の「物価上昇は一時的なもの」という判断をサポートすると判断され、株価は全体的に続伸した。
S&P500は0.3%上昇して4,280.70ポイントで終了し高値を更新した。
相場を押し上げたのは金融株で、連銀が銀行業界はシビアな景気後退に容易に対処できるだろうと発表したことが好感された。
そんな中市場参加者の関心事は早くも今年後半のパフォーマンスに移っている様だ。来週の後半には後半戦が始まるからだ。
来週前半で大きな動きがないとすれば、S&P500は年初来15%程度の上昇率で後半に入っていく(昨日時点で年初来15.6%上昇)。
昨日の終値4,280ポイントは既に年初にアナリストが予想した年末の指数の平均値4,276ポイントを少し上回っている。
アナリストの中にはS&P500は年末までに4,500ポイントをつけに行くと予想する人もでてきている。ただその後4,100ポイントまで後退するだろうという予想だが。
私には年末の株価予想はできないが、後半の株価上昇ペースは鈍化すると考えておくのが常識的判断だと思う。
ところで来週金曜日には早くも重要な指標が控えている。それは6月の雇用統計だ。市場予想では6月の非農業部門雇用者増は700千人で5月の実績559千人を上回っている。
雇用者増の数字だけでなく、採用難が賃金上昇圧力になっているかどうかなど見るべきところが多い発表になるだろう。
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