金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

都会の自然あるいは浜離宮公園の3月

2006年03月14日 | まち歩き

私の密かな楽しみの中に江戸東京散歩というものがある。つまり江戸の切り絵図と現代の地図を対比した地図を見ながら、東京都内を散策するというものだ。私は人文社の「江戸東京散歩」という左頁に切り絵、右頁に現代の地図が並んだ地図帳を使っているが、散歩の時は重たいので適宜コピーしてポケットに入れて歩いている。

今日のお目当て浜離宮公園は何度も足を運んだところだが、菜の花と汐留の高層ビルの対比を写真に撮りたくてぷらりと寄ってみた。

Nanohana1

浜離宮公園は手元の江戸切り絵図では「濱御殿」となっている。寛永の頃までは将軍の鷹狩の場だったが、承応3年(1654年)甲府宰相綱重の庭園となりその後世継の家宣が現在に残る景観を作り上げたものだ。こちらが公園の公式サイトhttp://www.tokyo-park.or.jp/kouen/park.cgi?id=53 入場料は大人300円、65歳以上は150円。

30万本の菜の花の向こうにそびえる汐留の高層ビル群と江戸の薫りを残す名庭園の対比が中々面白い。この時期の都内散策スポットの一つだろう。

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東京都庭園美術館を観る

2006年03月12日 | うんちく・小ネタ

Asakatei 3月12日の日曜日、ワイフと恵比寿で映画を観た後歩いて白金の東京都庭園美術館を訪ねた。風の強い日だったが気温は高く恵比寿ガーデンプレイスからは多少の回り道をしたものの20分位で美術館に到着。

同美術館は朝香宮邸を利用したものだ。そこで朝香宮についてインターネット上の百科事典ウィキペディアから簡単に引用する。

  • 1887年(明治20年)-1981年(昭和56年)、昭和14年陸軍大将、昭和22年皇籍離脱。皇籍離脱後は邸を外務省に貸し出し、ゴルフ三昧の悠々自適の生活を送る。

朝香宮邸はアールデコ様式を今に伝える貴重なものだ。

Shishi_1

本日は宇治山 哲平氏の展示会を行っていた。宇治山さんは日本の抽象画のパイオニアらしい。ただし私の様な門外漢には○△□の組み合わせによる抽象画はどれを見ても似た様に思われる。

3月24日には老舗料亭「金田中」が運営するカフェ酒茶Kintanakaがオープンするということだ。難しい抽象芸術はさて置きお花見と庭の散策、あるいは隣接する自然教育園の散策など都心の中で豊かな自然に触れることが出来る良い場所である。

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「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」を観る

2006年03月12日 | 映画

久し振りに日本では観客動員数が余り多くなさそうな映画を観た。映画の題はメルキアデス・エストラーダの3度の埋葬で原題The Three Burials of MELQUIADES ESTRADAを直訳したものだ。上映は恵比寿ガーデンプレイスのガーデンシネマのみである。

話の粗筋は次のようなものだ。

メキシコから米国テキサス州に不法移入したメキシコ人カウボーイのメルキアデス・エストラーダは、国境警備員のマイク・ノートンに誤って射殺される。メルキアデスの親友ピート・パーキンズ(この映画の監督トミー・リー・ジョーンズが主演)は、友の変わり果てた姿を見てメルキアデスが「俺が死んだら故郷ヒメネスに遺体を埋葬してくれ」という言葉を思い出す。この事件を闇に葬ろうとした地元警察にパーキンズは怒りを覚え、ノートンを自らの手で拉致し、メルキアデスの遺体と共にその故郷ヒメネスに向かう。

途中ノートンがガラガラヘビに噛まれるといったエピソードを挿入しながら、映画は終局へ向かう。いったんは存在しないと思われたヒメネスという村がパーキンズとノートンの前に姿を現す。二人はそこまで運んできたメルキアデスを彼の廃屋の近くに埋葬する。その後の話は・・・・映画を観ての楽しみということにしよう。先が読めないというのもこの映画の魅力の一つだ。ここで結末を話てしまっては面白くないだろう。

私のワイフは「メルキアデスの死体が時々写って気持ちが悪い」「映画の良さが分からない」と言っていた。確かに変色したメルキアデスの死体が映る等気持ち悪いところがあり、食事前の良い鑑賞作品ではない。民族を超えた男の友情・正義の貫徹があり、一方で国境に近い街の性的モラルの荒廃と暴力がある。しかしそこには何か強く訴えるテーマがある。それは僕がざっと思いつくだけでも次のようなものだ。

  • メキシコと米国の間に人為的国境を作ることの虚しさ
  • 国境周辺のテキサスの町につのる廃頽感
  • パーキンズとメルキアデスの男の友情とそれを守り通す男(パーキンズ)の信念の強さ
  • テキサスとメキシコの自然の荒涼さ
  • 懺悔と許しの関係
  • 警察の事なかれ主義と自助のテキサスの精神・・・

私としては特定のテーマに拘り性急な色分けをするより、この映画の持つ迫力といったものにまず打たれることが鑑賞の第一歩だろうと考えている。

この映画には単なる娯楽映画を超えた何かがある。

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「金(カネ)」でコンペに勝つ

2006年03月12日 | うんちく・小ネタ

昨日会社のコンペで優勝した。「金」で勝つというと、大枚を投じて良いクラブを購入したのか?などと思われる向きもあるかもしれないがそうではない。時々キャディーさんが「お客さん、気(木=wood)ばっかり使っていないで金(アイアン=Iron)も使ってください」という金つまりアイアンである。

コンペは荒川河川敷の大宮国際カントリークラブで行われた。天気は快晴、暖かく風もそれ程強くなく絶好のゴルフ日和であった。ところが何故か一番ホールから大不調。第一打OBからスタートして「9」、2ホール目もドライバーをスライスしてワンペナの「5」という具合にドライバーがほとんどスライスで苦戦した。昨日プレーした「しらさぎコース」や「せきれいコース」は3千ヤードを切る短いコースなのだが、幅が狭い(少なくとも僕にとっては)

そこで途中から作戦変更し、短いミドルホールはアイアンかユーティティクラブでティーショットを行うことにした。これが比較的功を奏し、ラウンドを終了してみると何とか2桁のスコアで収まった。その結果僕よりグロスの少ない人もいたが、ハンディキャップ(新ペリエ方式)の差で僕が優勝したのである。

ということで勝因は単純に考えると「アイアンを使ったコースマネジメントでスコアをまとめた」ので「金でコンペに買った」ことになる。ところが高いハンディキャップを貰うことが出来たのは、ドライバーでOBやワンペナを出していたことにある。ということを考えると単純に「金でコンペに勝つ」と断言できるかどうかやや疑問は残るが、まあ「金で勝った」ことにしよう。

僕は山登りや写真撮りが忙しくゴルフは精々1,2ヶ月に一度位しかしないが、優勝は嬉しいものだ。賞品のギフト券をワイフに渡すと昨日少し不機嫌だったワイフ(車にガソリンを満タンにしておいてと頼んだら、私が乗らないのに・・・と言っていた)も喜んでいた。ワイフも調子が良いもので、「また優勝してね」などと言っている。

ゴルフはやはりコースマネジメントなのだ。金(アイアン)を上手く使うと気(木=ウッド)使いも減るというものである。

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金融超緩和終了で株は下がる?上がる?

2006年03月08日 | 株式

日銀の金融政策決定会合が今日(3月8日)始まり、明日には結論がでる予定だ。これを巡って小泉首相から量的緩和解除決定は時期尚早というシグナルが出る等にぎやかになってきた。明日の政策発表を控えて株式市場は下げている。こういう時は一歩下がって海外勢の見方でも分析してみよう。

8日付のウオール・ストリート・ジャーナルは「借入コストの上昇が日本株ラリーに歯止めをかけるか?」という記事を書いている。見出しと中身が若干違う気もするがポイントを紹介しよう。

  • 先月メリル・リンチ日本のエコノミスト・コール氏が世界の45の投資家に行なった調査では38%の投資家は「政策変更後も日経平均は継続して上昇」、31%が「変更後は下落」、残りは「中立」と回答している。
  • 昨年のラリーを引っ張ってきたのは、外人投資家と日本の信用取引による個人投資家だった。2005年の個人による取引割合は日本の3大証券取引所合算ベースで28%になった。(2003年は19%) 金額ベースでは過去2年間に3倍以上になり昨年は250兆円になっている。
  • 東京証券取引所によれば2005年の個人投資家取引の内、金額ベースで49%が信用取引である。金融超緩和政策のお陰で個人投資家は年率1.5%で信用買いの資金を調達することが出来たので、信用取引が外人投資家とともに昨年の株式ラリーを呼んだと言える。またネット証券協会によればオンライン株式取引の6割近くが信用取引である。
  • しかし超緩和政策の終了に伴い、向う数ヶ月の様相は極めて異なったものになるかもしれない。幾人かのエコノミスト達は金利は多くの投資家が予想するより早いペースで上昇するかもしれないと言う。例えば10年物国債の利回りは年初の1.44%から今週の1.653%にまで上昇している。信用取引の貸出金利は市場金利をベースにしているので、金融政策の変更は信用取引を行なう個人投資家のコストを押し上げるだろう。
  • これにより個人投資家が株を買う意欲を削がれ、その結果株式市場の勢いが失われる可能性がある。実際最近株式市場は弱含みだが。
  • 過去2ヶ月、日本株は昨年のモメンタムを失っている。日経平均は昨日(6日)1.1%下落の15,726円で終了した。これは昨年末から385円の下落だが、小型株の状況はもっと悪い。新興企業向けのマザーズ市場は年初来33%の下落である。
  • 最近の下落は年度末に向けた年金基金のりバランスのための売りに起因する。資産配分比率目標が決まっている年金基金にとって昨年日本株で大きな評価益が出たことは、リバランスのため株を売らなければならないことを意味する。
  • ドイツ証券東京は「日銀が金融市場から24兆円の流動性を回収することの影響を受ける最初の場所は株式市場の可能性がある」と言う。特に中小型株が強い影響を受ける。これは信用取引を行なう個人が短期間で利鞘を稼ぐため値動きの大きい中小型株をターゲットとする傾向が強いからである。
  • ロスアンゼルスのヘッジファンドの日本株マネージャーによれば「超金融緩和政策があちこちでミニバブルを起こしていた」「中小型株セクターではある人々はバリュエーションではなく株価の動きをベースにして株を買っていた」と言う。もっともこのマネージャーも他の市場参加者も政策変更のインパクトは市場に折込済で長い目でみれば日本株の上昇トレンドは続くと見ている。
  • 日計り商いをする個人投資家は市場から撤退すると見る向きもあるが、楽天証券のチーフストラテジストは「それは株式市場のパフォーマンス次第だ。投資家は株で利益が得られる限り、売買手数料や信用取引の金利について大きく気にすることはない」と言う。

まあ以上のようなことで、3月は国内の大きな投資家である年金基金・個人とも需給要因は悪いということだ。ここは株価収益率等をしっかり見ながら、落ち着いた投資スタンスで望みたいところだ。

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