金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Booking.comキャンセル・新予約でホテル代を下げた

2017年11月21日 | 旅行記

ホテルの予約にはBooking.comを使っている。無料キャンセルが可能な予約の場合は、旅の日程が決まれば素早く予約することにしている。

早目の予約の方がホテル代が安い場合が多いからだ。

ところが明後日の大阪行きを前に予約を確認している時、現在提示されている宿泊料金が私が予約した時に較べてかなり安いことに気が付いた。その違いは5千円近い。ただし残りの部屋は一部屋だけだ。

前の予約が無料キャンセル期間中だったので、まず予約をキャンセルし、急いで予約を入れると安い値段で部屋を予約することができた。

対面取引ではこんな厚かましいことはできないだろうが、コンピュータが相手なので厚かましいことをしてしまった次第。

ところで「先に新しい予約を入れておいてから古い予約をキャンセルする方」が処理中に部屋が他人に予約されてしまうリスクがないので安全なのだが、そのような予約を入れるとBooking.comのコンピュータが「同日に既に予約が入っています」などと抵抗を示す可能性があると判断して(本当のところは分からないが)、解約⇒予約という手順で行った次第。

お行儀はよろしくないが、思いがけず旅行代金を節約することができた・・・自慢するほどの話ではないか?

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人事研修でキャリア・アンカーを語ることにした

2017年11月21日 | 資格・転職・就職

来週ある顧問先で今年入社した社員向けに話をすることになっている。昨年までは、同様の研修では「コミュニケーション力を高める」などという行動面の話をしてきた。

今年は目先を変えてキャリア・アンカーという視点で「働く意味を考える」という話をしようと考えている。

キャリア・アンカー Career anchorとは直訳すると「職歴の錨」だが、意味するところは「キャリア形成上譲ることのできないこだわり」ということだ。キャリア・アンカーという概念を打ち立てたエドガー・シャインMIT教授によるとキャリアアンカーは「キャリアの上でどうしても犠牲にしたくない『能力』『動機』『価値観』の組み合わせ」ということになる。

一般的にキャリア・アンカーは20代後半位になって考えるものだと言われている。ある程度職務経験を積まないと「自分の能力」や「仕事の社会に対する貢献」が見えてこないからだ。

従って入社1年目の社員には「腹におちない」ところがある話になる可能性があるが、次の理由から敢えて話をすることにした。

第1に以前に較べて、「キャリア形成」について考える時期が早まっていると感じるからだ。一昔前のある程度の規模の会社では、入社5年目位までは「仕事に流され行く」感じでキャリアを積むことができた。流され行くというと主体性がないように聞こえるが必ずしも悪いことではない。これはキャリア・ドリフト Career driftという概念で「大きな節目と節目の間では流れに身を任せて職能を身に付ける」ことも大切だと言われている。

ただしこのドリフトできる期間が短くなり、主体的に自分でキャリアをデザインする時が早まりつつあるというのが私の直観である。

第2には講話の聴き手は若い社員だが、人事部の幹部も同席しているので、人事部の人にこそ聞いて欲しいという思いがあることだ。

今政府は「働き方改革」という旗印を掲げ、「長時間労働の解消・非正規雇用と正社員の格差是正・高齢者の就労促進」を進めようとしている。そのこと自体は結構なことなのだが、バックボーンが欠けているのではないか?と私は懸念している。

つまり働くものの視点で「仕事を通じて自分らしい生き方を確立するような社会を目指そう」という視点だ。

キャリア・アンカーという概念は1990年頃アメリカで登場した概念だが、最近のアメリカで企業と従業員の関係で重視されているのは、Employee Engagementという概念だ。適切な日本語訳はないが「従業員の会社の業務に対するコミットメントや積極的関わりの度合い」という意味である。

Employee Engagementが高いと生産性が高まり、顧客の企業に対する信頼度も高まると言われている。

ちなみにアメリカでは社員の3割が高いEmployee Engagementを持っているが、日本では7%程度に過ぎないとGallapの調査は述べている。日米の生産性の格差の一つの要因かもしれない。

なお観念的に考えると従業員のキャリア・アンカーに気を配るような会社ではEmployee Engagementつまり従業員の会社に対する思い入れが高まることになる。ただし人事問題の専門家の実証的な研究(あるかどうかも知らないが)を見ないと即断はできないだろうが。

話が長くなったが、「働き方を改革」するには枠組みの改善だけでは不十分で、個人が自己実現するために働きやすい場所と方法で働くことができるような社会を目指すことが重要だと私は考えている。

ただしこのような話は若い社員の方の領域外の話なので、講話ではここまで話をすることはないだろう。

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専門家が哲学者の話を聞く意味~相続学会・研究大会から

2017年11月20日 | 相続

先週の金・土と一般社団法人 日本相続学会の研究大会が開催された。

初日の基調講演に登壇されたのは哲学者で中央大学理工学部准教授の寺本 剛先生。ご専門は「世代間倫理」で基調講演のテーマは「世代間倫理から相続を考える」というもの。

研究大会の参加者は、税理士・司法書士・保険会社営業マン・不動産会社営業マンなどで、相続対策を専門とする人が大半だ。

寺本先生の講演に対する参加者の感想についてアンケート集計はまだ見ていないが、概ね評価は高かったようだ。

「哲学者の話を始めて聞いて哲学に興味を持った」という意見を懇親会でも聞いた。哲学の何が専門家の気持ちを掴んだのだろうか?ということに興味が起きたのでちょっと考えてみた。

一般的に専門家と呼ばれる人は「ある程度頭が良くかつ勉強した人」と考えられている。司法試験を筆頭に何らかの国家試験に合格し、ある資格を取得することが専門家の必要条件だから、専門家になるには試験に合格するための勉強をする必要がある。そのためにはある程度頭が良くないといけないだろうと世間では考えられている。

だがここにちょっと落とし穴がある。私もある国家試験に合格したことがあるが、そこで試されたのは「法令や規範を丸覚えする暗記力」だったのだ。無論国家試験の種類によっては、既存のフレームワークを覚えるだけではなく、その応用力を問うものもあるが、概ね暗記力を問うものが多いと考えて良いだろう。

従って国家試験の合格者は、試験当日に暗記力を発揮できた人と言ってよい。ところでどうすれば暗記力を高めることができるかというと、私は「考える」ことを停止することにあると思っている。勉強時間や脳のキャパシティというリソースの配分問題を考えると「考える」ことに振り向ける資源を「覚える」ことに振り向けた方が試験に合格する可能性は高まる。

会社では「あいつは有名大学を卒業しているのに、役に立たない」という話を耳にすることがある。この話の前提には「有名大学を出ている人は役に立つ」という考え方があるので、butという接続詞が使われる。しかし「有名大学に合格するため、青春の一時期考えることを犠牲にして暗記することにリソースを振り向けたので、考える力が身についていない」と考えるとこの話は、thereforeという順接で捉えるのが正しいことになる。

この話を敷衍して、すべての専門家が暗記のために考える力を犠牲にしたという積りはない。本当に能力の高い人は、暗記と思考の双方にリソースを振り向けるだけの能力を持っているからである。

だがかなりの人は資格試験に合格するために、ある程度考えることを犠牲にし、さらに日々の仕事の中で法律知識などの専門知識を習得し、それを実務に当てはめることに時間を割いていると私は考えている。

それ故哲学者の講演が新鮮だったのだろう。

これは講師の寺本先生のご意見ではなく、私の意見だが、一般的に専門家はHowについては考え顧客に適切なアドバイスを与えるが、Whyを顧客と一緒に考える訓練ができていないと思われる。

相続問題についていうと「節税対策」等のHowについては適切なアドバイスはあるが、「なぜ節税をするのですか」という踏み込みは浅いのではないだろうか?仮に顧客の考え方が「子孫に財産を沢山残すため」というものであれば、更に「なぜ財産を残すのか?」と踏み込み、その答が「子孫の繁栄を願う」というものであったとしよう。

そこで「子孫の繁栄を願う」という目的には、賃貸資産を増やし節税策を取るという方法と、子孫に思い切った教育投資をするために生前贈与をするという二つの手段があることに気が付く。

哲学とはWhyを問い続ける学問、というのが私の理解だ。今専門家に求められるのはHowを達成する技術力のみならず、Whyを顧客に問い続けることで顧客の本当にニーズを探し出してあげる力ではないだろうか?

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晩秋の神代植物園、楓の紅葉には早かったが・・

2017年11月16日 | まち歩き

今日(11月16日)クロスバイクで神代植物園までサイクリング。往路は南行きなので追い風で楽だったが、復路はまともに向かい風で良い運動になった。

予想していたことだが、楓の紅葉にはまだ早かった。

紅葉している樹を探して歩いているとムクロジの樹が黄色くなっていた。

池のほとりの針葉樹も紅葉の盛りだ。

秋は空が大きいので、広角レンズの方が見栄えが良いだろうと今日は広角レンズ一本で撮影。青空と少し色変わりた芝生の上のパンパスグラスを小さく撮ることができた。

パンパスグラスにもう少し接近。

入り口に近いところに紅葉している楓があった。少し赤がくすんでいるので、ポップアートを使ってお化粧をしてみた。

複数枚の写真を組み写真にして豪華に演出。

入り口の会館で作品展示会が行われていた。木の実などにLED電球を入れたイルミネーションだ。

楓の本格的な紅葉には早かったが、それなりに遊ぶことができる植物園だった。

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2/3近い従業員が職場で「いじめにあった」~思っていたより多い米国のいじめ

2017年11月16日 | 資格・転職・就職

四半世紀ほど前にアメリカで仕事をした経験をベースに私はアメリカの会社では「いじめ」はそれ程多くないと思っていた。

理由は幾つかある。一つはアメリカ人は総じて負けず嫌いなので、いじめられると泣き寝入りするのではなく、猛烈に反発するからだ。

次に訴訟社会であり、会社による解雇はしばしば訴訟につながるからだ。

ところがWSJによると、アメリカでも「職場でのいじめ」が増えているという。最近の調査によると「過去1年間で職場でいじめに遭った人は2/3近くになり、1998年当時の1/2から増えている」ということだった。

米国ではハリウッドのセクシャルハラスメント事件以降、職場のいじめ問題が注目を浴びている。

アメリカの会社ではボス(直属上司)の権限は絶大だ。転勤が多い日本の会社では、しばらく我慢していると嫌な上司と分かれる可能性があるが、アメリカではそのようなことはない。自分が転職するかボスが転職しない限り、上下関係は永続する。

それだけにボスの力は強力だ。いじめを会社に告げ口してもボスから報復を受けるので、泣き寝入りしている従業員が多いということだろう。

記事は「なぜいじめが増加しているか?」という点について、それ程深堀していないが、一つの結論として「若い従業員の間の能力格差が顕著であり、少数のスター的社員が多くの仕事を取ってくる」など、能力格差がいじめ増加の背景としている。

記事はまたいじめを職場から追放するのは、時間のかかる仕事で法律的には困難な作業という面も指摘している。

いじめが従業員の生産性の低下や顧客離れにつながる点で企業にマイナスであることは間違いない。人事コンサルタント会社は「いじめ防止教育」を企業に推奨している。また度を過ぎた部下いじめをする上司については、その上司の解雇を強く会社に推奨することもある。

さてアメリカで昔よりいじめが増えていることの背景を私なりに考えてみた。

一つは脱工業・情報化社会になって、個人の知的能力の差が生産性の差を大きく左右することになったことだ。「真面目に働いているとそこそこ成果があがる」という時代ではなくなってきたということである。生産性の差が顕著なのでボスはできの悪い部下を攻撃しやすいのである。

次にここ数年は失業率が顕著に低下し、求人難が目立ってきたが、それまで職を得ることが難しい時代が続いた。なお数字上の失業率は低下しているが、「本当にやりたい仕事に就職できているか?」ということを見るとまだ「就職難」は続いているかもしれない。多くの一般的な才能レベルの人にとって。

よって「職を失う」懸念からいじめに泣き寝入りしている人が減らないとも考えられる。

いじめの問題はアメリカ企業社会でも簡単には解決しない問題のようだ。

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