金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

信玄や謙信の名前が歴史の教科書から消える?

2017年12月25日 | 受験・学校

昨日テレビのバラエティ番組を見ていると「高校の日本史の教科書から武田信玄・上杉謙信といった日本史上の英雄たちの名前が消える可能性がある」ということを取り上げていた。他にも消える可能性の「著名人」は、吉田松陰・坂本龍馬・大岡越前など。世界史上の人物では、クレオパトラやガリレオ・ガリレイなどの名前も消える可能性があるらしい。

何故教科書から著名人の名前を消すか?というと「高校生が覚える用語が多すぎるので、現在の3,500から1,500に減らす」ことが目的だという。信玄や謙信の名前が消えるのは、二人が戦った川中島の合戦というのは、地方大名の衝突で、歴史の大勢に影響はなかったことが理由のようだ。

偶々だが、昨日私はスキーの帰りに長野IC近くの川中島古戦場史跡公園に立ち寄って蕎麦を食べ、信玄・謙信一騎打ちの地・八幡原を見た。

その印象もあり「高校生や教師の負担を軽くするため、教科書の登場人物を減らす」という「高大連携歴史教育研究会」の意見に疑問を感じている。

確かに一見すると川中島の合戦は日本史の大きな転換点にはならなかった。戦国時代の終焉と全国統一は、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康という尾張・三河出身の大名により達成された。

しかし信玄や謙信が日本史に影響を残さなかったというのは浅薄な見方であろう。例えば織田軍団が巷間3千丁と言われる火縄銃を揃え、武田騎馬軍団に立ち向かったのは、武田軍団が川中島の合戦などを経て、最強の騎馬軍団になっていたからだ。

伝統的戦法では勝利がおぼつかないと考えた信長は、大量の火縄銃を揃えるとともに、兵制を改革し、射撃専門部隊を作る。それが兵農分離に繋がり、やがては江戸時代の士農工商という身分制度につながっていく。

つまり武田信玄という英雄がいたから、織田軍団の火縄銃部隊が強化されたという面があると私は見ている。

また武田氏が滅びた後、その兵団は井伊直正の配下に入り、家康の天下統一を支えていく訳だ。さらには徳川の先陣を務める井伊家の大老が勤王派の浪士に暗殺されるというショッキングな出来事が、幕藩体制の幕引きを早めたと考えると、歴史はつながっている。

歴史を学ぶ醍醐味とは、このような複雑な繋がりを自分なりに考えることではないだろうか?

思うに「歴史上の登場人物を減らす」という発想は、大学入試試験における高校生と受験教育を担う教師や試験問題を作る大学の負担を減らすことにあるようだ。

問題は歴史上の人物にあるのではなく「一時的な暗記力を競わせる入試方式」にあるのだ。暗記力を競わせるのではなく、大きな歴史の流れを把握し、歴史を動かす力とはなにか?ということを考える力を競わせるべきではないだろうか?

考えるためにはデータがいる。最初にインプットするデータを少なくすると処理は簡単だが、捨て去ったデータの中に重要な情報がある場合がある。その結果少ないデータからのアウトプットは浅薄過ぎて役に立たない場合があると私は考えている。

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昼夜遊び倒しの八方スキー

2017年12月24日 | スポーツ

この土日はスキー仲間のSさんと二人で白馬八方尾根スキー場にスキーに出かけた。

土曜日(12月23日)は晴天ながら風が強く、ほとんどのリフトが止まり、存分に滑ることができなかったが、今日(24日)は風のない穏やかな天気で初すべりを楽しんだ。写真のバックは白馬三山で頂上まで晴れている。

シュプールが少ない非圧雪斜面も楽しむことができた。

楽しかったのは昼だけでなく、夜も楽しかった(健全な遊びです!)

泊まったのは馴染みの民宿で手ごろな値段。5分ほど歩くと東急ホテルがあるのでそこのバーでカクテルを一杯。

東急ホテルと民宿の間で外国人スキーヤーを相手にしているバーがあったのでそこで一杯。

一泊二日のスキーでしたが、充実したひと時を過ごすことができました。

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歳末福引談義

2017年12月22日 | うんちく・小ネタ

先日眼鏡を買った時福引券を貰ったので、地元のショッピングビルの福引会場に行ってみた。木曜日の午後だったが、高年齢の女性を中心に沢山の人が並んでいるのに驚いた。

次に驚いたのは、一等賞など上位のあたり本数の少なさだ。ここの一等賞はショッピングビルで使える商品券5万円なのだが、あたり本数は2本しかない。

2本しかない一等賞が福引最終日の前に出てしまうと「なんだ、こりゃ」ということになってしまうから、一等賞の玉は福引最終日か少なくともその前日ぐらいまでは「ガラガラ抽選器」に入っていないのではないか?と思われる。

ということは福引最終日までに福引に出かけることは、初めから勝ち目のない?勝負に臨んでいるようなものなのだ。おそらく。

案の定あたったのは最下位の入浴剤だった。

しかしこの入浴剤を得るだけでも20分近く福引の列に並んだから、最終日になるととんでもない待ち時間が予想される。「毎日一等賞1本は出るようになっています」などとすれば、福引者の分散が図れるのだが。

今日は冬至だから貰った入浴剤を「柚」と思ってゆっくりお風呂に入ることにしよう。

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米、既存住宅販売数、10年来の高水準~なぜ米国では既存住宅が売れるのか?

2017年12月21日 | 社会・経済

昨日全米不動産業者協会は、11月の既存住宅販売数は前月比5.6%増加し、季節調整後で年率換算581万戸の販売戸数に達したと発表した。これはリーマンショック前の2006年12月以来の強い数字だった。

夏のハリケーンの影響で既存住宅の販売が一時鈍化したことのキャッチアップ要因などもあるが、基本的には既存住宅への需要は相当強い。

既存住宅の在庫は3.4か月分で1999年以降で一番低い水準になっている。

既存住宅の供給不足から住宅価格の中央値は1年前から5.8%上昇し、248千ドル(約28百万円)になっている。エコノミストによると「もしもっと中古住宅が市場にでれば、既存住宅販売数はもっと伸びていただろう」と述べている。

★    ★    ★

820万戸の空き家を抱える日本から見ると目のくらむほどうらやましい数字だ。

なぜ米国では既存住宅の販売は好調なのに、日本ではまったく不調なのか?その原因を考えてみた。

まず少し古いデータだが、国交省の「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」(2010年)を見てみよう。

当時のデータで日本の年間既存住宅販売数は17.1万戸。既存住宅の流通割合(既存住宅流通/(既存住宅流通数+新築数)は、13.5%だ。

同時期(データは2006年)の米国の年間既存住宅販売数は678.4万戸、既存住宅の流通割合は77.6%だ。

まず第一に気が付くことは「米国ではとにかく住宅がよく売れている」ということだ。日本の人口は127百万人で米国の人口は322百万人で2.5倍だ。

ところが年間住宅販売戸数(新規+既存)では、米国は日本の約7倍になっている。既存住宅の流通量では40倍だ。その差は「日本人があまり住宅を買い替えないのに較べアメリカ人は頻繁に住宅を買い替える」ことにある。つまり日本人は引っ越し嫌いなのに、アメリカ人は引っ越し好きということだ。

ではなぜアメリカ人は引っ越しが好きなのか?という問題は、中々奥深い問題で、私は現時点で明確な答は持っていないが「移動することで人生の可能性を高める」という考え方が根底にあると考えている。

人が人生で何回引っ越しをするかを数値化したものを「生涯移動回数」と呼ぶ。国立社会保障・人口問題研究所によると、日本人男子の生涯移動回数は男子が3.21回、女子が3.03回となっている(なおもう少し多いという調査もある)。

アメリカ人の生涯移動回数については17回(フェデックス調査)という数字がある。

大雑把に見てアメリカ人は日本人の4~5倍位引っ越しすると見ておいてよいだろう。

アメリカ人はライフステージに合わせて、引っ越しをし、その時に既存住宅を売却するから既存住宅取引が活発だということができる。

次にアメリカ人には、そして欧米諸国全体を通じて、住宅には中古という概念がないことだ。美術品に中古という概念がないのと同様に。

欧米では数十年前に建築された住宅を今でも手入れして使っているのである。基本的な生活様式が変わっていないからそれで充分なのである。

一般的に日本人は新しい物を好む傾向が強いから「既存住宅」を「中古住宅」と呼び、20年前の住宅になると「古屋あり」としてしまうのである。

日本の住宅建設がある時期経済成長を牽引してきたことは間違いない。だがそれが今大きな負担となっている。

なぜ米国で既存住宅が大事にされるか?という点については、米国では環境アセスメントなどのハードルが高く、新規住宅分譲が日本ほど容易でないということも考える必要がある。

既存住宅が流通するということは、老後資金を住宅の中に蓄えることができるということである。リタイアした後、大都会周辺の住宅を売却し、フロリダなどに移住することが可能なのだ。820万戸という膨大な日本の既存住宅は不良在庫となり、住宅の流動性を著しく低下させ、移住の選択肢を狭めているのである。

 

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事務引継はエバーノート力を高める

2017年12月20日 | デジタル・インターネット

5年以上担当してきたある一般社団法事人の事務を後任のSさんに引き継ぐことになった。

名古屋在住のSさんとの引継で大活躍しているのが、エバーノートだ。

まず社団法人の事務に関する「ノートブック」を共有設定した。このノートブックに会計帳簿・会員住所録(いずれもエクセルで作成している)などをアップする(正確にはノートブックの中のノートにアップする)と情報を簡単に共有することができる。

領収書など外部の紙の資料は、ScanSnapというスキャナーを使って、ドンドン取り込み、これを共有ノートブックにアップする。

将来的には、監事の方ともノートブックを共有(おそらく閲覧オンリー)設定することで、リアルタイムな監査が可能になるだろう。

次に「引継要綱」を「ノートリンク」で作成していった。

エバーノートのファイル階層は一般的には3段階になっている。つまり「スレッド」⇒「ノートブック」⇒「ノート」だ。

マイクロソフトオフィスのエクスプローラーのフォルダー構造に較べると階層が浅いと思われるが、「ノートリンク」という裏技がある。

つまり上記のような「目次ページ」を作り、目次の項目と別のノートをリンクすることで、仮想的な階層を作ることができるのだ。

これは便利な方法だ。まず最初に大雑把な目次を作って次に個別のノート(たとえば会費管理)の作成にはいる。

ワードで頭から書いていく方法に較べて、思い出したところから引継メモを作っていくことができる気安さがある。

重要な項目が抜けていたので補完する、順番を並べ替えるという作業も簡単だ。更には個別ノートの下にリンクを張る(たとえば規定集とのリンク)ことも可能なので、既存のデジタル資産の活用が簡単なのだ。

エバーノートでこのようなことができることは、前から知っていたが、あまり活用することはなかった。

しかし事務引継という具体的なタスクが発生したので、エバーノートを最大限に活用してみようと考えた次第。

「艱難辛苦は汝を玉にす」というと余りにも大袈裟だが、新たなタスクに対応することで、IT活用力が高まることがあることは間違いない。

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