老人の懐古趣味のたぐいでしょうが、最近、昔の歌謡曲のことを考えたりします。
ものごころついた1950年代後半、聞こえていたのは春日八郎や三橋美智也などの曲。オジサン、オバサンを目当てにした歌だとしか思えません。
ま、「おーい、中村君!」とか「もしもしベンチでささやくお2人さん」などと、意味もわからず歌ってはいましたけどね。
1960年代に入ると、橋幸夫、舟木一夫、三田明などが登場、女子学生がキャアキャアいってました。
でも、彼らは明らかに女の子をターゲットとして作られた歌手。我々、男の子は何を聴いていたのかが疑問になります。
歌謡曲で男子向け歌手としては吉永小百合、和泉雅子などといった俳優歌手がいましたが、特に萌えた記憶はありません。
何を聴いていたのかなあ……と考えていたら、「あ、テケテケだ!」と思いつきました。あと「レモン・ツリー」や「風に吹かれて」のピーター・ポール・アンド・マリー。
彼らに導かれるように、洋楽の世界に首を突っ込んでいったのでした。
まわりの音楽好きな男の子たちも似たような感じだったなぁ。
つまり、女子は「橋だ! 舟木だ!」とかいっている一方、男子は「ビートルズだ! ストーンズだ! いやいやビーチボーイズですよ」などと言ってたのです。1960年代前半はそんな感じでした。きわめて大雑把な風潮ではありますが。