関東甲信地方、梅雨明け。平年並みだった昨年より2日早い。
朝からよく晴れて、とても暑くなりました。最高気温 34.8℃(隣町アメダス)。突然の高温の上、湿度も高く、とても苦しい。
ということで、夕方には市民プールへ出かけました。
今年、初めて。10日からオープンしているのですが、2週間程前にひいた風邪がなかなかすっきりせず、泳ぐのをためらっていました。
いやあ、プールはやはり気持ちがいい。昨夏以来なので、なかなか調子が出ませんが、感触を確かめながら500メートルほど。
ただ、いつも顔を合わせる常連さんが、今日は1人も見えませんでした。それが気がかり。
夕食後の演芸タイムは談志師匠の「大工調べ」。与太郎ものと大岡裁きをミックスさせた大作です。
与太郎の呆けっぷりを聴いていると、この噺は小さん師匠に教わったことがよくわかります。これまた40歳の時の「ひとり会」が音源ですが、この与太郎は小さんの口調でしゃべっているのです。
与太郎の代わりに、大家のところへ乗り込んで、大工道具を取り戻そうとする棟梁・政五郎の口上がいちばんの聴きどころ。若い談志さんの口が、よくまあ回ること、回ること。滑らかで、勢いがよくって、立て板に水とはこのこと。こういうのはやってる当人も気持ちいいでしょうねえ。
ところで、この噺。談志師匠はまだ二つ目だった小ゑん時代に、ちょっとおかしいんじゃないかと疑問を感じたそうで。
わずかの店賃が足りないということで、道具箱を戻してもらえない与太郎に入れ知恵して、大岡越前の守に申し出させたのが、棟梁の政五郎。お裁きの結果、大家はぎゃふんと言わされるのですが、じゃあ、店賃を溜めた方は悪くないのか。
そのことを、やはりこの噺を得意にしていた志ん生師匠にぶつけたところ、志ん生さんは「どの町内にもああいう撥ねっ返りな野郎はいる」と、政五郎を切って捨てたとか。我が意を得たりと感じた小ゑんの顔がキラキラと輝いていたと、解説で川戸貞吉さんが書いています。
古典に対しても疑問を掘り下げていた談志師匠の面目躍如たるところでしょう。