惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

悪夢の16分間

2015-07-06 20:48:33 | スポーツ

 なでしこジャパン。ワールドカップで決勝戦まで勝ち進んだところで十分、期待に応えてくれたと思います。準優勝は誇らしい成果。素晴らしいチームだ。

 とはいえ、試合開始後の16分間は何かに呪われていたとしかいえないですねえ。ディフェンスがことごとくチグハグ。続けざまに4点も取られるとは。観ているこちらも「あらら……」と思いながら呆然としていました。
 ま、それだけアメリカの得点へのモチベーションが高かったということなのでしょう。気合で呑み込まれてしまったみたい。

 気を取り直し、リオ五輪へ向けて、また頑張ってください。最初の16分を除けば、遅れをとった試合ではなかったのですから。

 今日の演芸タイムは、昨日と同じく柳家金語楼さんで、「落語家の兵隊」と「きやいのう」。どちらも自作の落語です。

 「落語家の兵隊」は兵役時代の体験をもとにした噺。
 昼間の訓練を終えた後、上官に呼び出されて落語をうかがわせられ、夜遅くなって兵舎に帰る。靴を磨きながら、つい愚痴がわりの鼻歌を口ずさんでいたら、後ろに上等兵が立っていて……。
 その昔、ラジオで何度か聴いたのが、これでした。「ヤマシタケッタロー」を50何年ぶりに聴きました。
 特に物語があるわけでなく、上等兵とのやりとりの中で、窮地に陥った過去の自分を描き出す。何度も似たような答えを繰り返すうちに、どんどん追い詰められてゆく若年兵の心情が浮かび上がります。落語とは何かを考えさせるのに最適の一編かも。

 「きやいのう」は、駆け出しの役者と、その友人との会話。やっと舞台で人間の役ができるという役者が肌身離さずもっている台本は、ほとんどが真っ白なページで、1か所にだけ「きやいのう」という言葉が。それが、唯一のセリフだというのですが……。
 金語楼さんの新作落語の記念すべき第1作がこれで、古典落語の「武助馬」を改作したのだとか。何度も高座にかけていたそうです。しかし、他の落語家はこのままではやれないでしょうねえ。金語楼の自作自演だからこその新作落語。
 有崎勉名義で、生涯に500以上の新作落語を創ったといいますから、凄い。古今亭今輔師匠がやっていた「ラーメン屋」がいちばんの傑作といわれています。