できれば日曜のダービーまで好天がつづいて欲しいのですが、どうもそうはいかないみたい。
今日のステレオグラムはヘラオオバコの花です。オオバコ科の多年草。
ヨーロッパ原産ですが、明治以前に日本に入り、雑草化しました。名前のとおり、葉っぱはオオバコに比べて細長く、玄関に置いてある靴ベラのようです。
花茎が高く、野川の岸では今の季節、よく目だっています。花が穂の下から上へ、順番に咲いてゆくのもおもしろい。線香花火を逆立ちさせた感じですね。
多田多恵子さんの『したたかな植物たち』(SCC)によれば、オオバコの仲間の種子は外皮にプランタザンという粘液質の繊維成分を含んでおり、このプランタザンは多量の水を吸収して膨らみ、ゼリーのようになるそうです。この性質を利用したダイエット食品もあるようですが、もとは粘液質のゼリーで靴の裏や車輪などにくっつき、遠くへ運ばれ、さらに含んだ水分のおかげで乾燥した場所でも育つことができるのだとか。
オオバコ、やるな。
鉢植えの根元に咲いたムラサキカタバミに午後の陽があたったところを逆光で撮ってみました。花の内部がよく見えます。
白く見えるのはオシベの頭(葯)。
カタバミの仲間のオシベは10本。このうち5本が長く、5本が短い。メシベ(見づらいのですが、緑色の柱頭が奥に)は、長短5本ずつのオシベの中間の長さです。つまり下からオシベの葯、メシベの柱頭、オシベの葯と3段になっています。
ムラサキカタバミは江戸時代に南米産のものがもたらされ、野生化しています。この花のオシベには、日本では花粉がないのだそうです。だから結実しません。カタバミ特有のタネを弾き飛ばす蒴果はできないんですね。
繁殖は地中にたくさんできる鱗茎で。なかなか引き抜くことができず、手強い雑草となっています。
今朝、ひとつだけ咲きました。自分が育てたスイカの、最初の花。感激です。
初めてスイカを植えたので、ドキドキしながら育てています。今は蔓が数十センチ伸びて、支柱がわりの網に絡みつき始めたところ。
昨年までのアサガオの代わりに、今年はスイカを仕事場の窓の外に育てて「緑のカーテン」に仕立てようと目論んでいるのです。
普通はゴーヤとかアサガオを使う話ばかりで、スイカがそうなるかどうかはわかりません。
しかし、蔓を伸ばして葉を繁らせるのだからなんとかなるのではないか、と。加えて、美味しいスイカが採れれば一石二鳥。
とはいうものの、スイカの栽培は難しいらしい。小玉スイカの苗を2株買ってきて、これまではまずまず順調というところでしょうか。
最初に咲いた、この花。実は「元なり」とかいって変形しやすいので取り去って、次に咲く花を実らせるようです。
よく見ると子房にアブラムシがついています。これは手で取りましたが、テントウムシの幼虫もいるのであまり心配していません。
今後も教科書どおりにやるつもり。うまくゆくと良いのですが。
雨混じりの風でトマトの枝が傷ついてしまった。悔しい。
今日のステレオグラムはフタリシズカ。センリョウ科の多年草。
「シズカ」とは源義経の妻・静御前のこと。「「賎(しず)や賎(しず)、賎(しず)の苧環(おだまき)繰り返し、昔をなすよしもがな」の歌で有名な、能の「二人静」にちなんで命名されたようですが、花としてはむしろ同科のヒトリシズカの方が有名で、多くの人に愛されているのではないでしょうか。
ヒトリシズカがひっそり小さく咲いているのに比べ、こちらは大柄で葉っぱも広く、お姫さまと女相撲ぐらいの差がある――といったら言いすぎでしょうか。
花穂はふつう2本のようですが、この個体には4本あります(四人静!)。白くて丸いひとつひとつが花です。
フタリシズカは、夏から秋にかけて茎の下部から閉鎖花をつけた花序を出すそうです。見てみたいものですが、はたしてそれまで覚えていられるものやら……。