惑星ダルの日常(goo版)

(森下一仁の近況です。タイトルをはじめ、ほとんどの写真は交差法で立体視できます)

多忙

2020-05-09 21:01:36 | 日記

 毎日、やることが多過ぎてあっという間に一日が終わってしまいます。今日はついに散歩にも行けないまま。

 何をやっていたのか、朝から順に思い出してみます。

 起きると、まず庭に出てプランターや植木鉢に水遣り。その後、室内で体操。ストレッチと筋トレを組み合わせた自己流です。20分ぐらいかかる。
 朝食後、市民農園に行って、植え付けてある野菜に液肥(ミミズのおしっこを薄めたもの)を施しました。
 帰宅し、二階のベランダに置いてあるコンテナ2個を庭に運びおろし、土の入れ替え。これまでスナップエンドウを育てていたのですが、終了したので、次はゴーヤを植え、緑のカーテンに仕立てる予定。
 これで午前中が終了。

 昼食後、朝ドラとかを視聴し、庭に出てイチゴなどを見て回っているうちに、先日、拾ってきたアルミ缶が目にとまり、ついつい風車づくりに取りかかってしまいました。
 簡単に出来るかと思っていたら、結構、時間がかかります。訪ねてきた息子と話をしたりしながら作業を続け、夕方まで。
 その間に、ネットで作り方を調べたり、新聞を読んだり、短い昼寝をしたり、スマホでlineとかいうのを使えるようにしてもらったり。

 まずいのは、仕事の本を読む時間がとれなかったこと。これから、少しでも取り戻そうと思います。


なんじゃもんじゃ

2020-05-08 21:12:40 | 季節

 深大寺近辺を歩いていたら、駐車場の端っこにヒトツバタゴの若い木が生えていました。俗に「なんじゃもんじゃの木」。
 大木が多くて、花が咲いていても高いところにあるのを遠くから見ることがほとんど。でも、今回は小さな木なので、間近で花を見ることができました。

 「ヒトツバタゴ」とは、「葉がひとつのタゴノキ」の意。
 タゴノキはトネリコの別名で、葉っぱは、ヤツデのように切れ目が入り、いくつもに分かれています。それに対し、ヒトツバタゴはすんなりしたサクラのような葉っぱ。それで「ひとつ葉」だとか。

 「なんじゃもんじゃ」というのは、はっきりしなてく適当に誤魔化した言い方ですよねえ。由来は、正しい名がわからなかったからだとか、正しい名をいうのがはばかられたからだとか、いくつかあるようです。「あんにゃもんにゃ」という言い方もあるらしい。「どんにゃもんにゃ」はないのかな?

 名前は変だったりしますが、花は純白で美しい。好きです。


トマト植え付け

2020-05-07 20:35:08 | 市民農園

 今朝はトマト苗を定植しました。
 幅70センチ、長さ2メートルほどの畝に8本。2本がミニトマトで、6本は中玉のホーム桃太郎です。

 だらしなく頭を垂れているのがありますが、苗づくりの段階からこんな感じでした。トマトは寝かせ植えもあるぐらいですから、しゃきっとしていなくても大丈夫だと思います。

 今日は北風が強かったので、右側にビニールシートで「壁」をつくり、風除けとしました。

 トマト作りは市民農園を始めて2年ともあまりうまくいってません。
 何が原因かよくわからないので、対策のしようがなく、あとは祈るのみです。なんとか丈夫に大きく育ちますように。


風船爆弾

2020-05-06 20:41:20 | 本と雑誌

 庭木に掛けていたシジュウカラの巣箱を下ろしました。雛たちは一昨日、巣立ち、以来、空き家です。

 屋根を外して、中を覗いてみると――

 床にはびっしりと、枯草、苔、犬の毛などが敷き詰められています。厚さ、約5センチ。ふかふかで気持ちよさそうです。
 内部はおおむねきれいですが、中央に卵の殻が1個。左下隅近くに糞が2個、残っていました。糞は、最後の雛が出てゆく間際に落としていったんでしょうね。これまでの経験では、糞が残っていたことはありませんでした。

 いったい何羽、巣立ったのでしょう? 7~8羽といったところかな。
 巣立ちの瞬間を見逃したのが、なんとしても悔やまれます。来年こそは。

 ジョン・マクフィーさんの『ノンフィクションの技法』(栗原泉訳、白水社)。〈ニューヨーカー〉誌の事実確認部の話の続きです。

 1973年、マクフィーさんは兵器用の核物質についての記事を書きました。その中に数行、第二次大戦中、日本から飛来した風船爆弾がプルトニウム生産のための原子炉を停めたというエピソードを織り込んだといいます。取材中、物理学者のジョン・A・ホイーラー氏(ワームホールの名付け親として有名ですね)から「確認不可能」として聞いた話を書いたのですが、あとは事実確認部に任せて、もし事実ならそのまま載るだろうし、確認がとれなければ削ることになると踏んでのこと。「あとは頼んだぞ」というわけです。
 確認に当たったのは〈ニューヨーカー〉誌のセイラ・リッピンコットさん。科学関係の記事を担当していた女性だそうです。

 彼女は、校了ぎりぎりまであちこちに連絡を取り、風船爆弾が原子炉を停めたのが事実かどうかを知る人物を探したといいます。たぐり当てたと思ったら、ホイーラーさんだったということも。
 もう無理だ、あきらめようとした時、ついに原子炉の現場主任だった人と連絡がとれました。
 記事の内容を電話で伝えられた彼は、「この話、どうして知っているんですか」と訊いたそうです。原子炉のことも、風船爆弾の被害のことも、戦争中は極秘中の極秘事項で、絶対外に洩らしてはいけなかったからです。
 原稿には、風船爆弾が原子炉の建屋に落ちたと書いてあったそうですが、彼は電話口で、実際に落ちたのは原子炉の建屋ではなく、原子炉に電気を送る高圧線で、「高圧線に触れて、風船は炎上しましたよ」と教えてくれたとか。
 かくして、風船爆弾のエピソードは、無事、記事になったというのです。

 読んでいて、この事実確認の姿勢は凄いと感嘆しました。
 最近は、日本の出版社でも校閲のチェックが厳しいところが出てきましたが、しかし、まだここまでは来ていません。アメリカのノンフィクションの質が高いはずだと、納得しました。
 で、ふと思ったのは、もしかしたら、私はこんな仕事が結構向いているかも。


「鳩時計スピーチ」

2020-05-05 21:05:43 | 映画

 今朝もイチゴが1~2個、消えているような気がしましたが、どこにどれだけあったのか、記憶がはっきりしないのでよくわかりません。もう少し、見てみなくては。

 今日は長ネギの植え付けをしました。2月の始めに種蒔きし、苗の丈が30センチ近くになったので。

 昨年と同じく、板を利用しての密植栽培。育てた苗、約40本と、再生苗(料理に使ったネギの根を埋めて、芽を出させたやつ)を15本ほど(いちばん手前の列)。
 収穫まで7か月ぐらいかかるでしょうか。葉っぱを食べる野菜なのに、ネギは特別、時間がかかります。

 永年、〈ニューヨーカー〉誌を中心にノンフィクションを書いてきたジョン・マクフィーさんの『ノンフィクションの技法』(栗原泉訳、白水社)に出てくる同誌の校閲が凄いことは軽く触れました。
 正しくは「校閲部」ではなく「事実確認部」というのだそうです。同誌に載る記事に出てくる事実関係が正しいかどうか、すべての事項を、ありとあらゆる手段で確認し、可能な限り間違いを排除するのが、その任務。マクフィーさんは、確認出来なかった数字を適当に記して原稿を渡すこともあったとか。事実確認部が正確な数字を調べ出してくれるので、それを当てにしてのことです。こうなると単なる校閲ではなく、調査担当助手のような役割ですね。

 えっ! と驚くようなエピソードも。
 事実確認部のリチャード・サックスという担当者と組んでスイスに関する記事の仕事をした時、マクフィーさんたちはキャロル・リード監督の映画『第三の男』中の有名なセリフが、グレアム・グリーンの書いた脚本にも、後にグリーン自身がノペライズした作品にも登場しないことを発見したといいます。
 そのセリフは、オーソン・ウェルズが扮する主役ハリー・ライムが、友人と観覧車に乗った後で言う、次のようなもの(本書に載っているものをそのまま引用します)――

イタリアではボルジア家が権勢をふるった三〇年間、戦争やテロ、殺人や流血が絶えなかった。だが、ミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチやルネサンスが生まれたんだ。スイスはといえば、兄弟愛と民主主義と平和が五〇〇年続いた。それで何が生まれたって? 鳩時計さ。

 英語では

You know what the fellow said - in Italy, for thirty years under the Borgias, they had warfare, terror, murder and bloodshed, but they produced Michelangelo, Leonardo da Vinci and the Renaissance. In Switzerland, they had brotherly love, they had five hundred years of democracy and peace – and what did that produce? The cuckoo clock.

 映画の場面はYouTubeで。

 なぜグレアム・グリーンの書いたものにはこのセリフがなかったのか? オーソン・ウェルズの即興だったというのです。

 英語版のウィキペディアで『第三の男』の項を見てみると、このセリフは現在、出版されている脚本には脚注として載っているようです。ただし、ウェルズのオリジナルというより、古いハンガリーの演劇から引用したとウェルズは言っているとか。"what the fellow said"という最初のひと言がそれを表わしていますね。ウィキペディアの記述はさらにその原典にまで分け入っていて、なかなかに興味深い。

 ここまで明らかになっている「鳩時計スピーチ」問題のきっかけをつくったのが、マクフィーさんと〈ニューヨーカー〉誌の事実確認部だったということなのでしょうね。