Windfallとは「風で落ちた果物」という意味。転じて思わぬ儲けものという意味で使われる。Windfall profit taxとは「思わぬ儲け」に対する課税で「超過利潤課税」とよばれる。英国のダーリン財務相が政府支援を受けながら多額のボーナスを支給する銀行に特別課税を行うと発表したが、この税金がウインドフォール・プロフィット・タックスの一種だ。
記事によるとボーナス(年俸契約外)の2万5千ポンド(約360万円)を超える部分について50%の課税が行われこれは会社が払わなければならない。なお従業員は所得税を払う必要がある。FTによるとダーリン財務相は「私は銀行に選択権を与える。銀行は内部留保を厚くし資本を増強するために利益を使うことができる。しかし銀行が大きなボーナスを支払うことに固執するならば、納税者のために資金を取り戻すことを決心させられた」と述べている。
総選挙が来年の5月に迫る中、総ての政党がこの政策を支持している。財務省はこれにより、約5.5億ポンド(792億円)の税収が見込め、2万人の銀行員が影響を受けると予想している。
高給を取る銀行員の反発は強い。あるウオールストリート(つまり米国の)の銀行の幹部は「ロンドンの銀行員から(高い税金を避けて)そちらに移りたいという電話を数えられない位貰っている」「有能なバンカーで英国で働き続けたいと思う人はいるだろうか?」と述べている。
360万円を年度のボーナスとすると日本的にいうと夏冬各180万円なので邦銀大手行の賞与に較べると高いとは言えない。だが課税対象となるのはdiscretionary bonusつまり裁量的な上乗せボーナスなので年収ベースでみるとかなり高いものかもしれない。関心のある方は研究してください。
私には余り関係のないことだが、公的資金を受けている邦銀の役職員の皆様には関心の高い話だろうと思い紹介した次第である。