今年も干し柿を作ることにした。「大地を守る会」に注文した柿が届いたので、皮をむき縄に通して2階のベランダにぶら下げた。
10日程すると干し柿になる。小さな小さな柿だが去年の経験によると中々美味である。市販の干し柿は結構高いが、皮をむき、天日に干すという手間賃が入っている(柿を干している間に雨にあたるとカビができるので雨を避けるなど手間がかかる)。
子供の頃庭の外れの渋柿を両親が干し柿にしたり、焼酎に漬けたりして食用にしていたことを思い出す。あの頃は果物が高かったので身近な渋柿の利用を工夫していたのだろう。
柿干せば 遠きふるさと 偲ばるる 北の旅人
柿に関する有名な俳句を2つご紹介する。
☆ 柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺 正岡子規
今日の「坂の上の雲」で子規はベースボールを「野球」と命名して元気な青春を送っていた。
☆ 渋かろか 知らねど 柿の初ちぎり 加賀千代女
一般的な解釈は「色付いた柿を見て食べたい気持ちが抑えられずに渋いかもしれない柿をとにかくもぐ」というものだ。ところが「はつちぎり」をパソコンで転換させると最初「初契り」という文字がでた。まだ渋いかもしれないが初契り・・・という裏の意味があると考えるのは邪推なのだろうか。ヌルヌルとした柿にはどこかなまめかしさがある・・と私は考えている。ただし江戸時代初期の加賀の才女がこのようなことを考えたかどうかは不明である。