金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

干し柿の季節

2009年12月06日 | うんちく・小ネタ

今年も干し柿を作ることにした。「大地を守る会」に注文した柿が届いたので、皮をむき縄に通して2階のベランダにぶら下げた。

Hosigaki

10日程すると干し柿になる。小さな小さな柿だが去年の経験によると中々美味である。市販の干し柿は結構高いが、皮をむき、天日に干すという手間賃が入っている(柿を干している間に雨にあたるとカビができるので雨を避けるなど手間がかかる)。

子供の頃庭の外れの渋柿を両親が干し柿にしたり、焼酎に漬けたりして食用にしていたことを思い出す。あの頃は果物が高かったので身近な渋柿の利用を工夫していたのだろう。

柿干せば 遠きふるさと 偲ばるる    北の旅人

柿に関する有名な俳句を2つご紹介する。

☆ 柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺  正岡子規 

今日の「坂の上の雲」で子規はベースボールを「野球」と命名して元気な青春を送っていた。

☆ 渋かろか 知らねど 柿の初ちぎり 加賀千代女

一般的な解釈は「色付いた柿を見て食べたい気持ちが抑えられずに渋いかもしれない柿をとにかくもぐ」というものだ。ところが「はつちぎり」をパソコンで転換させると最初「初契り」という文字がでた。まだ渋いかもしれないが初契り・・・という裏の意味があると考えるのは邪推なのだろうか。ヌルヌルとした柿にはどこかなまめかしさがある・・と私は考えている。ただし江戸時代初期の加賀の才女がこのようなことを考えたかどうかは不明である。

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米国の雇用情勢、燭光と大きな闇

2009年12月06日 | 社会・経済

金曜日に発表された米国の雇用統計に市場は好感した。失業率は0.2%改善して10%へ低下。11月の非農業部門の失業者はアナリスト予想の125千人を大きく下回る11千人に改善した。また過去2ヶ月の失業者数も159千人下方修正された。平均労働時間は過去最低の33.0時間から33.2時間に改善している。概ね先週の統計データは労働市場が改善方向に向かっていることを示唆した。これを受けてドル高が急進。ドル円レートは1ドル90円を越える円安になった。

余談だが私はドル円レートが84円台をつけた後、一度急速な円安が来ると予想していた。しかし先週は出張続きで自宅のパソコンから為替取引を行うチャンスがないまま時が過ぎてしまった。もっとも岡目八目、傍(はた)で見ていたので相場が見えたのかもしれない。

失業率統計は癖のある統計なので、今回のデータが雇用市場の改善を確約するものと考えるのは早計だ。というのは何故なら不景気が長期化すると失業者の中には職探しを止める人が増えてくる。こうなると統計上の完全失業率は低下する。そして雇用環境が改善してくると求職者が増えてくるので、失業率が上昇する場合がある。エコノミスト誌は完全失業率の数字は問題を過小に見せるという。非自発的にパートタイマーになっている人つまり不完全雇用underemployedの人を加えると6人に1人以上は失業している(つまり失業率は17%以上)。

もう一つの大きな問題は失業率が人種・性別・年齢・学歴により大きく異なる点だ。ニューヨーク・タイムズのデータhttp://www.nytimes.com/interactive/2009/11/06/business/economy/unemployment-lines.html?ref=businessによると、一番失業率が高いグループは「黒人・男性・年齢15歳-24歳・高校中退以下の学歴」のグループで失業率は42.7%(09年9月までの1年間の平均)だ。一方一番失業率の低いグループは「白人・男性・年齢45歳以上・大卒」で失業率は4.1%だ。失業率が一番高いグループと一番低いグループでは10倍の差があるのだ。

また年齢層と失業率の関係を見ると15歳-24歳(全人種・男女合計・全学歴)の失業率は16.7%ときわめて高い(一番低いのは45歳以上の層で6.3%、次が25歳-44歳の層で8.2%)。

統計上失業率に若干の改善は見られるが、雇用格差の問題は大きい。米国ではオバマ大統領の人気が急落しているが、彼の支持基盤の失業率が高いことが大きな原因だろう。雇用情勢改善のため、12月3日に「ジョブ・サミット」が開催されたが、即効薬はなさそうである。

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