金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

年の瀬は高尾山

2009年12月28日 | 

12月27日日曜日晴、今年最後の登山に高尾山に出かけた。某ロータリークラブのトレッキング同好会のお伴である。今年20回ほど山に登っているが、このロータリークラブの皆さんとは、大菩薩嶺・釈迦ケ岳・櫛形山・木曽御嶽山・北八ヶ岳そしてこの高尾山と6回ご一緒したことになる。

午前10時に高尾山口集合、駅の中のみやげ物屋さんでお弁当を探すが10時半にならないとできないというので、川を渡ってファミリーマートに行きオニギリを調達した。10時20分1号路を登り始めた。人気のコースだけにランニングする学生さんに路を譲ったり、薬王院関係の車を避けたりと大変である。参道途中のお地蔵様は皆様新しい毛糸の帽子を被っておられた。

Jizou_2 

ケーブルの駅を過ぎると杉の根っこが蛸状になった「蛸杉」がある。蛸杉は皆が触るので網で保護されていた(以前はなかったと思う)。そしてその横に蛸杉の碑?があった。

Tako

薬王院には11時40分に到着。

Tengu_2

高尾山頂上からは富士山が見えた。空気が湿気を帯びているので富士山はぼんやりと見えた。富士山の手前で目立つピラミダルな山は大室山だ。少し目を左にやると蛭ケ岳があり、その左手には大山がすっきりとしている。霞んでいるので写真は省略。

城山の手前でお昼ご飯を食べ、1時20分相模湖に向かって下山開始。城山からの降り口には「東海自然歩道 相模湖方面」とかいた大きな看板があるので間違うことはないだろう。

相模湖への道は少し急なところもあるが気分の良い山道だ。

Gezann

50分程で里まで降りることができた。降りた後は予約していた「天下茶屋」でお風呂に入った(入浴料は1000円)。男性12名女性4名という大部隊なのでお風呂は少し窮屈だったし、鉱泉を沸かしたものだったが、冷えた体には何よりのご馳走だった。天下茶屋から相模湖駅までは茶屋のマイクロバスで送ってもらう。

列車で一眠りすると新宿であり、鮮魚料理の美味しい店で忘年会となった。60歳を越えた人も多いグループだけれども、本当によく歩き、よく飲み、よく話し、よく歌うと改めて感心した一日だった。

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GDP連動債構想、日本ならどうなる?

2009年12月28日 | 社会・経済

ニューヨーク・タイムズにエール大学のロバート・シラー教授が「国の成長を分け合う方法」A Way to share in a natiion's growthという小文を寄稿していた。シラー教授は米国の住宅価格指数ですっかり有名になった人だ。

同教授は「企業は負債と株式という方法で資金調達をする。株式は投資家に将来の利益の分け前を与えることを内包している」と書き出す。そして国も株式の概念を借用して、GDPで測定した「国の利益」を配分するような資金調達方法を考えることができるのではないか?と主張する。

同教授はこの資金調達手段に「トリルス」Trillsと名前を付けている。これはtrillionth(兆分の1)の略称だ。なお余談ながらtrillには(鳥などの)さえずりという意味があるが、命名に関係しているのかどうかは分からない。

シラー教授は「各々のトリルはその国の名目GDPの『兆分の1』を表す永久債で、四半期毎にその国のGDPの兆分の1が支払われる」と説明する。米国を例にとって説明すると1トリルの年間配当額は、年間GDP約14兆ドルの兆分の1だから、14ドルとなる。同教授はこの1トリルの価格は市場で決められるが、1,400ドルかそれ以上だろうと想像している。

つまり「GDPに配当が連動する永久国債の価格はどれ位か?」という問題だが、シラー教授は「S&P500株式指数の配当利回りは2.3%だから、トリルの配当利回りはもっと低くて良いはずだ。何故なら株式指数の配当の伸び率とGDPの成長率では後者の方がはるかに高い。実際1957年からの実質ベースで比較を行うとGDPの成長率は3.1%で配当の伸び率は1.1%だった」と述べている。

最後にシラー教授は「トリルのような提案は過去にいくつもあったけれど、無視されてきた。だが現在の環境はよりGDP連動債に適しているのではないか」と締めくくっている。

☆    ☆    ☆

日本でこのようなGDP連動債構想があるときいたことはない。しかし先進国の中で国債依存度が一番高い国だけに傾聴するべき提案かもしれない。

しかし問題は日本の名目GDPが下落していることだ。2008年年度の名目GDPは前年比4.1%減少して494兆円。デフレ傾向が続くと名目GDPの伸びは期待できないから、日本のトリルの価格は成長率の高い国のトリルより安くなる。政府がトリルの価格に注意を払うようになると、デフレ対策として有効な政策が打出されるかもしれない。

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