金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ヘッジファンドは金利上昇に賭ける

2009年12月23日 | 金融

FTによると高いパフォーマンスをあげている幾つかのヘッジファンドが米国の金利上昇に賭けている。今世紀の初めサブプライムローンの下落に賭けて大きな利益をあげたポールソン氏~330億ドルの預かり資産を持っている~は、政府の景気刺激策はインフレを招き、インフレは金利の上昇を招くとして、金利が上昇すると儲かるオプションを買っている。

またヘッジファンド・マネージャーのジュリアン・ロバートソン氏はイールドカーブのステープニング、つまり長短金利差の拡大に賭けている。長期金利の上昇の方が短期金利の上昇より大きいと見ている訳だ。だがアウトライトの米国債のショートポジションを取るファンドマネージャーは多くないようだ。というのは連銀が国債市場に深く関与していて、国債相場が軟化すると介入する可能性を感じているからだ。

そこでオプション・プレミアムの安いアウト・オブ・ザ・マネーのオプションを買っているファンドジャーもいるが、国債金利がそこまで跳ね上がるかどうか分からない。

債券トレーダーが神経質になる理由の一つは彼等が90年代の日本の国債市場で、金利上昇を予測して国債のショートポジションを作ったところろ金利が下落を続け、大きな損失を出した苦い経験があるからだ。

今回の日米の金利見通しについて私見を述べると、米国の金利は上昇基調だが、日本の政策金利は来年一杯から再来年中頃まではデフレ懸念から据え置き。日本の長期金利は1.2%から1.6%のレンジで振れるが、資金需要が極めて弱いこととデフレ圧力で実質金利が高止まりすることから、このレンジを越えて上昇する可能性は極めて薄いと見ている。

この相場観が正しいとすると、円ドル為替はドル高に振れる可能性が大きい。暫くは米ドルロングの円ショートというのが中核戦略になるだろう。

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