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国際エネルギー機関、オイル・ピークを2020年と発表

2009年12月13日 | 社会・経済

国際エネルギー機関(IEA)のチーフ・エコノミスト・Birol氏は「新しく大きな油田の発見がなく、通常のビジネス環境による需要が続くとすると、伝統的な石油の生産は2020年にピークを迎えるだろう」と発表した。http://business.timesonline.co.uk/tol/business/columnists/article6950863.ece

地球上のオイルの生産が2020年頃にピークを迎えるだろうというのは新しい説ではない。例えば私もブログでデイヴィッド・ストローンの「地球最後のオイルショック」という本を紹介している。http://blog.goo.ne.jp/sawanoshijin/d/20080824

デイヴィッド・ストローンは170名の専門家とのインタビューを通じて2006年にオイルの生産量はピークを迎えるだろうと予想している。この本もそれなりにインパクトはあったと思うが、IEAの発表ははるかに大きなインパクトを与えることは間違いない。

IEAは2008年に800の油田の歴史的な生産トレンドを分析して、「平均すると2030年には、世界の油田の年間生産量はピーク時に8.6%減少するだろう」という結論に到達した。Birol氏は「石油需要が増加せずにフラットだとしても、この生産量の減少を相殺するためには日産40百万バレルの油田~サウジアラビアの4倍!~を発見する必要がある」と述べている。

ところが新しい油田の発見は減少している。1960年から89年の間に世界で既存産出量の2倍以上の油田が発見されている。しかし1990年から2006年の間には新規油田の発見は累積ベースで生産量の約半分である。

IEAは世界各国が地球温暖化防止(2度気温が上昇することを防ぐ)のアクションを取ると、2030年の石油の一日あたりの消費量は89百万バレルになるが、何も行動しないと消費量は105百万バレルになると警告を発している。

☆  ☆  ☆

石油の生産量が後10年程度でピークに達するということは、その時点で我々は地球上の石油資源の半分を消費してしまったということである。ピークを過ぎてすぐ石油資源が枯渇する訳ではないが、消費量を抑えて大切に使わねばなるまい。

デイヴィッド・ストローンは我々が個人レベルでできることからラストオイルショックに備える必要があると述べる。個人レベルでできることとは「石油や天然ガスへの依存度を減らすこと」「ライフスタイルの転換を今から始める」「交通手段からライフスタイルを見直す」ということだ。

さあ、ストーブを消してスポーツクラブに行こう。

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