尖閣諸島海域で中国のトロール船と海上保安庁の巡視船が衝突し、日本が漁船の船長を逮捕した件について中国政府はかなり高圧的な出方をしている。
副首相級の戴秉国・国務委員が丹羽大使を未明に呼び出したことについて、日本の外務省幹部からは「未明に大使を呼び出すのは非常に無礼だ」という声があがっている(読売新聞)。
外務省幹部でなくても一国の大使を未明に呼び出すのは大変無礼と感じるところだ。このニュースを聞く日本人は不快感とともに中国の領土的野心や黒を白と言い包める強引さに恐怖を覚えるのではないだろうか?
時に日本では民主党党首選の前夜。常識的に考えると、昨年数百人にのぼる「朝貢団的」使節団を仕立てて中国を訪問した親中国的な小沢前幹事長のマイナスに繋がるような行動は抑制して、小沢氏の勝利をサポートする・・というのが深謀遠慮と思えるのだが、中国政府にはそのような配慮はなさそうだ。
新華社通信の英語版を見ると、菅首相が僅差で優位に立っていると思われると報じている。中国政府は今更小沢前幹事長にfavorを与えても追いつかないと考えているのかもしれない。これはあくまで個人的印象だが。
さて尖閣諸島問題に関する新華社の記事を読むと、尖閣諸島(中国ではDiaoyu Islands)は明時代から中国の領土として地図に載っていて、日本が領有権を主張した1884年より400年も前から中国の領土だったと明言している。
また日清戦争後の下関条約で台湾が澎湖島などとともに日本に割譲された時、尖閣諸島も日本に割譲された。しかしサンフランシスコ条約で台湾、澎湖島が中国に戻された時、尖閣諸島は不法に日本に返還されたと説明している。
これは当然日本の主張と異なる。日本は尖閣は沖縄に属する領土だと主張して、日清戦争により割譲されたものではないとする。これは歴史的に見て正しい主張である。
日本はあらゆる機会を利用して、歴史的事実に裏打ちされた日本の領有権を英字メディアを通じてもっと主張するべきだ。世界の世論を引き付けるために必要なことだと私は思っている。
話がそれてしまったが、小沢前首相が思いを傾けるほど中国政府は彼のことを思っていないのかもしれないと感じた次第である。