金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

3分の2のアメリカ人が、減税と失業給付延長の賛成

2010年12月09日 | 国際・政治

今週月曜日にオバマ大統領と共和党が合意に達した、全所得層における減税2年間延長と長期失業者に対する失業給付の延長パッケージについて3分の2の国民が賛成しているという世論調査をギャラップが発表している。

民主党議員の中にはオバマ大統領が共和党の要求に屈した(民主党は所得最上位の2%についてはブッシュ減税の打ち切りを主張していた)と反発している人がいるが、民主党支持者の52%は全所得層の減税延長に賛成している。反対意見が強いのは民主党のリベラル派で55%が反対で39%だけが賛成だ。

リベラルとは「自由主義の」という意味だが、米国の政治でリベラリズムというとフランクリン・ルーズベルト大統領のニューディール政策に象徴される「修正資本主義」の立場を指すのでややこしい。いわば自由放任に相反する政治思想を米国ではリベラルというのである。

話がわき道にそれたが、このような世論の状況を鑑みれば、減税と失業保険延長のパッケージは最終的に議会で承認されるのだろうと私は見ている。

債券市場の参加者も同じビューなのだろう。減税の景気浮揚効果と財政悪化を懸念して米国債は過去2日間でリーマンショック以降最大級の売りを浴びせられた。

ギャラップは「中間選挙後オバマ大統領の支持率は堅調・・」と報じている。もっとも12月10日現在の支持率は43%で不支持率は48%で不支持の方が高い。しかし中間選挙後の支持率推移をクリントン大統領の同時期と較べるとほぼトントンだ。今回の妥協案でオバマは次期選挙の可能性を高めたという見方もある。政治の世界は複雑である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする