金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

英語の時代は静かに終わる

2010年12月28日 | 英語

先日某信託銀行の担当者が年末挨拶に来たので少し雑談をした。その中で彼は「海外拠点を持たない僕らの銀行でも、日系企業の海外法人に融資をしたいので営業部では英語の勉強を始めるかもしれません」と言っていた。私は「止めた方が良いよ」と言いかかった盛り上がっている相手の気分を害しても有害無益なので止めることにした。

だが老婆心ながらいうと「止めた方が良い」というには幾つかの理由がある。第一にこれから英語を勉強していては運用難に苦しむ邦銀では間に合わないからだ。中国、インドなど新興国のインフラ投資はこれから相当期間続くが、金融機関の陣取り合戦は熾烈だ。そんなスピード感では間に合わない。

第二に日本で仕事の片手間に英語を勉強しても英語で商売ができるレベルに到達する可能性は低い。政治の世界では「仮免許」運転は大目に見てもらえるかもしれないが、ビジネスの世界は厳しい。ちょっとした聞き違いや意味の取り違いが大きな損失につながることも多い。

第三に百歩譲って英語ができるようになっても、某信託銀行の中でそれが武器になり出世する可能性は低いからだ。何故かと言うと英語のできない上司が嫉妬するからである。企業のトップクラスが英語に堪能でないかぎり、英語が出来ても「便利屋」で終わるだけだと考えるべきだろう。

英語を社内用語にしようという企業もあるが、それは急速に海外展開を図ろうというトップの意思が明確な会社だ。だが国内に基盤を置く会社はそんな無理をする必要は全くないと僕は思っている。使いもしない英語力を求めて英語力の採用試験をするのは愚の骨頂である。

というようなことを考えている時、エコノミスト誌で「世界の第二言語としての英語の時代はやがて終わるかもしれない」というタイトルの記事に出会った。この記事はNicholas Ostler氏のThe Last Lingua Francaの書評である。Lingua Franca(リンガ・フランカ)とはイタリア語を土台としてスペイン語、ギリシア語、アラビア語が混成した言葉で転じて共通語という意味だ。書評によると英語を話す人は10億人以上いるが、第一言語として使う人は3.3億人でその人口は拡大していない。6億人以上の人はリンガ・フランカとして英語を使っている訳だ。著者はやがてコンピュータによる翻訳と音声認識が発達するので共通言語の必要性はなくなり、第二言語としての英語は消えると主張している。それを受けてエコノミスト誌は英語はやがてラテン語のようになるだろうと結んでいる。

今のところ英語の翻訳ソフトは使える代物とは言い難い。だが30年前にはテーブルほどの大きさがあったワープロが手のひらに載る時代(しかも電話やカメラ付きで!)。50年後にかなり使える翻訳・通訳ソフトが出来る可能性も排除はできない。

とはいえそれは50年100年後の話。現在英語力が必要な時はどうすれば良いのだろう?それはバイリンガルな人を使えば良いのである。日本にいる外資系企業は社員に英語教育をするなどというマドロッコシイことはせずバイリンガルを採用する。

某信託銀行さんに話を戻すと、社員に英語を覚えさせるなどという悠長なことはやめてバイリンガルの人に銀行業務を教えた方が早いですよということになる。

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今年のアクセス数を考えてみた

2010年12月28日 | ブログ

ブロガーなら多少は気になるのはアクセス数。ただし正確なアクセス数を捉えることは非常に難しいと思う。ブログに直接アクセスされる場合は、設置したアクセスカウンターやプロバイダーが提供するカウント機能でアクセス数を把握することができる。しかしブログが他のHPに転送されている場合はそこで読まれてもアクセスカウンターには反映されないからだ。

例えば僕のブログのプロバイダー(OCN)のカウンタで捉えた1日のアクセス数は1214件(過去1ヶ月平均)だが、OCNブリエ(中高年をターゲットとしたサイト)にも大部分のエントリーは転送されているがそちらで読まれたものは含まれない。

ブリエ経由のアクセス数については9月-11月3ヶ月の読まれた回数が紹介されていて、この件数は37,890回。1日当り420件である。その他Market Hackという外国株投資サイトに引用されることも偶にあるが、こちらのアクセス数は不明だ。また他で知らない間に引用されていることもあるだろう。

まあそんなものを合計すると1日のアクセス数は1700件前後というところだろうか?

ところで「そのサイトがネット上でどの程度の『メディア影響力』があるかを測定する無料サイト」がある。Webスカウターという名前だ。http://ja.webscouter.net/indexabout.phtml

このサイトで僕のブログの戦闘力(影響力)を測定すると、72,677件中14,023位だ。影響力測定方法が開示されていないので、評価の方法がないが、僕が良く読んでいるFinancial Timesの順位が45,301位で、Economistが16,345位だから捨てたものではない・・・・。そう、このサイトはブログだけではなく、総てのウエッブサイトの影響力を測定しているのだ。またある程度のアクセス数がないと母集団に入っていない。

因みに第1位は携帯電話など電子機器に関する情報を取り扱うギズモード・ジャパンというサイトだ。上位には産経ニュースや毎日JPなどのニュースサイトがランクされている。時々使うTwitterは27位である。

我こそはと思わんブロガーは一度影響力を測定されてはいかがだろうか?

ただしWebスカウター自身のメディア影響力を測定すると、69,701位だったのでサイトの実力は「?」かもしれない。

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【イディオム・シリーズ】Get back on one's feet

2010年12月28日 | インポート

今日のFTに米国のホリディシーズンの売上が好調という記事が出ていた。その中にIn 2008,US retail got knocked down. In 2009, we got back on feet. In 2010,you are seeing first steps forwards.という文章があった。

「2008年、米国の小売業は打ちのめされた。2009年には回復し、2010年には前向きの最初の一歩を見ている」という意味だ。

Get back onは「復讐する」という意味だが、get back on feetとなると、足に復讐するではなく、(病気などの悪い状態から)回復する、立ち直るという意味だ。

FTによると、マスターカードの売上を調査しているSpendingPulseは自動車を除く(ただしガソリンは含む)ホリディシーズンの小売り売上は昨年比5.5%増えると予想している。

好調なのは衣料品で昨年比11.2%増加。寒波の影響で値段のはるコート等の売上が伸びているからだ。宝石類の売上もプラス7.2%。ただしテレビ等電子製品は単価が10-15%下落しているので、売り上げ増は1.2%に留まる見通しだ。

ネット販売は15.4%増加の見通しだ。SpendingPulseは「ホリディシーズンの売り上げ増加は、夏の終わりの新学期セールス(バックツーザスクール)に始まった小売業の『持続的な成長』に一層の証拠を提供している」と述べている。

日本でも節約疲れから一部の商品の売上が伸びている。また先週あたりから本格的に冬将軍が到来。売上増加が期待できるかもしれない。消費景気の回復を期待しながら新年を迎えよう。

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