今日オバマ大統領はアルカイーダのリーダー・ビンラディンを米軍・CIAが殺害したと発表した。その時の声明の中にJustice has been doneという言葉があった。ブルンバーグの日本語ニュースではこれを「正義は達成された」と訳している。
Justiceの一番の意味は「正義」なので、これは一見正しいように思われる。ところがJusticeにはもう一つの意味がある。それは「正義に反したものへの懲罰」である。
日本語の正義という言葉は「道理にかなった正しいこと」という意味で使われるが、一般的には「正義に反したものへの懲罰」までは強く意識されていないと思われる。
ところがWikipediaで正義を見るとconcept of moral rightness・・・・along with punishment of the breach said ethicsとある。つまり「正義とは懲罰を伴う道徳的正しさという概念」なのである。
従って「懲罰」を強調すると「懲罰は達成された」という訳になる。どうでも良いような気もするが、ひょっとするとここに今の日本と米国の大きなギャップがあるのではないか?とも私は感じている。日本の正義は言ってみれば正しいか正しくないかの評論家的判断で、正義に反したものに懲罰を加えるという行動までは伴っていない。
だが米国の正義は正義に反したものに対する懲罰行為を伴うし、それを行なわない限り正義ではない・・・ということになる。
この辺りは倫理学の門外漢の判断であり、機会があればサンデル教授にでも聞いてみたいと考えている。これは冗談だが。