金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Justice has been doneをどう訳すか?

2011年05月02日 | ニュース

今日オバマ大統領はアルカイーダのリーダー・ビンラディンを米軍・CIAが殺害したと発表した。その時の声明の中にJustice has been doneという言葉があった。ブルンバーグの日本語ニュースではこれを「正義は達成された」と訳している。

Justiceの一番の意味は「正義」なので、これは一見正しいように思われる。ところがJusticeにはもう一つの意味がある。それは「正義に反したものへの懲罰」である。

日本語の正義という言葉は「道理にかなった正しいこと」という意味で使われるが、一般的には「正義に反したものへの懲罰」までは強く意識されていないと思われる。

ところがWikipediaで正義を見るとconcept of moral rightness・・・・along with punishment of the breach said ethicsとある。つまり「正義とは懲罰を伴う道徳的正しさという概念」なのである。

従って「懲罰」を強調すると「懲罰は達成された」という訳になる。どうでも良いような気もするが、ひょっとするとここに今の日本と米国の大きなギャップがあるのではないか?とも私は感じている。日本の正義は言ってみれば正しいか正しくないかの評論家的判断で、正義に反したものに懲罰を加えるという行動までは伴っていない。

だが米国の正義は正義に反したものに対する懲罰行為を伴うし、それを行なわない限り正義ではない・・・ということになる。

この辺りは倫理学の門外漢の判断であり、機会があればサンデル教授にでも聞いてみたいと考えている。これは冗談だが。

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アル・カイーダのビン・ラディン死亡

2011年05月02日 | ニュース

CNNによるとアル・カイーダのリーダー・ビン・ラディンが死亡したと日曜夜(米国)米国政府が発表した。本件についてオバマ大統領が後程アナウンスメントを行なう予定。

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震災後の工場復旧進む~NYTより~

2011年05月02日 | 社会・経済

5月2日連休の谷間である。午前10時前日経平均は先週末日100円程上昇して950円近辺で取引されている。米国の金融緩和持続予想から世界的な株高を受けての株高だ。ロイターは円高が急進しなければ、1万円超えもあると予想していたが、ドル円レートは81円付近まで円高になっている。利食いに押されて今日の1万円超えは難しいかのしれない。

だがニューヨークタイムズを流し読みしていると、日本企業の再生が予想よりも早いのではないか?思われる記事が出ていた。タイトルはMany Japanese factories recover after quake。話の中心はコピー機メーカーのリコーだ。

記事はリコーの近藤社長の「災害の影響は世界が考えるほど大きくはない」という言葉を紹介している。

政府の推計によると、日本の工場の7%が東日本大震災の強い影響を受けている。特に自動車部品メーカーの被害は他の業界より大きい。だが経済産業省が70の被害を受けた工場に調査をかけたところ、3分の2近い工場は復旧を遂げ、残りの大部分も夏までには復旧を見込んでいる。

リコーの場合、生産の要はコピー機用のモーターを作っている東北リコーだ。モーターは東北リコーだけで作られているので、モーターの供給が止まると、海外向けのコピー機を作っている中国シンセンの工場も稼働しなくなる(実際1週間止まった)。

記事によると、東北リコーは冷却用とインク用に200トンの予備の水を確保していたが、停電のためポンプが動かず工場勤務者はトラックで1トンづづ水を運ばなければならなかった。

そして工場の天井もまだ修理できていないので、残骸が落ちてくる可能性があるが、勤務員は硬い帽子を被って作業を行なっている。

記事はリコーの工場はcan-do recovery(意欲的な、やればできる復旧)のケーススタディだろうと述べている。

記事には出ていないけれど、リコーの近藤社長は約1年前に「リコーは会議は長いけれど意思決定は早い」「会議は初めから結論が決まっていることが多く、会議自体は意思決定を組織全体で共有する大事な手続きだ」と述べていた。

NYTによると東北リコーは70人の従業員を体育館に集めて、壁にプランを貼り付けながら復旧計画を策定した。リコーでは津波で家族を失った人達も仕事に戻っている。

色々な難問を抱えながら、確実にリカバリーへの道筋をたどっているメーカーの皆様には本当に頭が下がる。

結論の出ない会議を延々と繰り返す政府も少し見習うべきだろう。それらの会議を経て政治のレベルでコンセンサスが高まっているならまだ良いが、私には党利党略に拘り骨太な議論が出来ていないように思われる。

コメント (2)
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