金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

オバマに初めての「ラリー効果」

2011年05月06日 | 国際・政治

ギャラップ調査によると、ビンラディン死亡後オバマ大統領の信任度は、6ポイント上昇し52%になった。信任度が改善したのは共和党支持者と独立系支持者で、各々12ポイント、9ポイント増えた。

大統領の信任度が大きな国際的イベントの後、急上昇することがあるが、このようなイベントを「ラリー イベント」と呼び、その効果をラリー効果という。

過去ラリー効果により、大統領の信任度が最高に急上昇したのは、9.11テロ攻撃の後のジョージ・W・ブッシュで実に35ポイントも上昇した。これに次ぐのが、1991年の湾岸戦争の時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領で18ポイント上昇。そして三番目がベトナム和平協定に調印した時のニクソン大統領で16ポイント上昇した。

オバマが大統領になって以来、2010年夏のイラクでの戦闘終結などプラス材料となるイベントはあったが、ラリー イベントとはならなかった。オバマにとっては今回がはじめてのラリー イベントだとギャラップは述べている。そしてギャラップは通常イベント効果は長続きせず、1週間から4週間で消えるという。

そういえば菅首相の人気も東日本大震災直後一時的に急回復したが、今は元を通り越して低迷している状態だ。危機は国民に政権への付託を高めるが、政権がそれに応えられない時の反動は大きいということだろう。正義の実現のためには、なさざるを得なかった(少なくとも米国にとって)ビンラディンの殺害だが、長期的に吉とでるか凶とでるかはオバマにも分からないだろう。正義は時として吉凶の彼岸にある。

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体とサイフに優しい猿ヶ京・万葉亭

2011年05月06日 | 旅行記

ゴールデンウィークの谷川岳登山の後、仲間と泊まったのが猿ヶ京温泉の丸一別館万葉亭だ。猿ヶ京は谷川岳と次の日に登る平標山の中間に位置する温泉郷だ。この付近で有名な温泉宿というと、法師温泉の長寿館があるがこちらは満室だった。また長寿館は1.5万円から2万円と結構値段も良い。そこで仲間のS君が選んでくれたのが猿ヶ京の万葉亭http://www.manyoutei.com/heya.htmlだった。

3日の夕方午後5時半頃雨の中を万葉亭に到着。1万円を切る宿賃というのでもう少しshabbyな建物をイメージしていたが、檜作りの太い骨組みの建物に期待は良い方に裏切られた。(写真は翌朝撮ったもの)

作家でかつ東御市で農園とレストランを経営している玉村豊男氏に良く似た感じのご主人が色々旅館のルールを説明してくれる。「夕食は6時から7時半の間。下げ膳はセルフで」「布団もセルフで」「室内は禁煙」「お風呂は三ヶ所」などなど。サービスを抑えることで宿泊代を9,975円とリーズナブルに設定(GWも平日も同じ料金設定)するというコンセプトだ。

「良い温泉旅館」の条件として、私が挙げたいことは「清潔であること」「温泉にゆっくり入ることができること」「静かで、エアコンが適切でゆっくり寝ることができること」「珍味や高級食材に淫することなく、普通に美味しい食事があること」「値段が妥当なこと」である。

8室40名のこのこじんまりとした宿屋はほぼその条件を満たしていると私は感じた。

和室二間に4人泊まったが広さは十分だった(ただしカップルで泊まることを想定しているのか、浴衣が2枚しか用意していなかったのはご愛嬌。ご主人は「浴衣などの準備は外注しているので」と弁解していた。

取り壊し中のテニスコートをはさんで向こうに見える平べったい三角の屋根がメインの浴場だ。檜風呂にコンコンと温泉が注ぎこまれる。無色透明のややぬるめのお湯は雪山と小雨で冷えた体を優しく温めてくれた。

夕食は特に珍しいものはないが、温泉宿の定番?のマグロの刺身でなく、山国らしく鯉の洗いがでたところが良い。なお酒飲みにとって特筆するべきことは、お酒が大変リーズナブルな値段で飲めることだ。例えば熱燗1本が315円、ます酒(景虎)が525円など。酒を愛好するものにとって、安くて美味しいお酒を提供してくれる旅館はありがたい。

以上のようなことから万葉亭は特にお酒の好きな人にはお奨めできる旅館だ。ブログで紹介するとお客さんが増えて次に行く時予約が大変になるから、お奨めすることをちょっと躊躇したが、このように良心的で頑張っている旅館は応援したいのでエントリーした次第である。

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「メタボは虚構の病」の虚構

2011年05月06日 | 健康・病気

雑誌・選択四月号の「続・不養生のすすめ」という記事のサブタイトルは「マユツバ物のメタボ対策」で、筆者の医学博士柴田 博氏が「『虚構の病』メタボリック症候群は、国民の健康と医療を歪める極めて悪質な問題である」と書き出していた。

私は「選択」を購読していないが、同誌を購読している人が回してくれたので、読んだのだが、完全メタボ系のその購読者は「わが意を得たり」とばかり、記事に赤線を引きまくっていた。

だがこの記事はかなり危険な記事なのである。何故危険か?というと米国医学会に存在する二つの異なる意見の一方だけを取り上げ「いかなる国のメタボ検診基準も「症候群」と呼ぶに値する科学的根拠は存在しない」と断じているからだ。

確かに記事が述べるとおり、アメリカ糖尿病学会とヨーロッパ糖尿病学会は「メタボリック症候群という症候群は存在しない」という立場を取っている。しかし米国の心臓病学会は明確にメタボリック症候群は存在するという見解を示しいてる。

実は歴史的に見ると最初に「メタボリック症候群」を提唱したのは、米国糖尿病学会だったが、1990年代後半により力の強い心臓病学会が、お株を奪って「メタボリック症候群」の独自ガイドラインを定め、大々的に宣伝を始めた。そして2005年に糖尿病学会は「メタボリック症候群」は存在しないという声明を出している。メタボ問題は米国の医学界の縄張り争うのような議論なのだ。

従って柴田博士の「マユツバ物のメタボ対策」という記事は、糖尿病学会の意見のみを紹介して、心臓病学会の意見を一顧だにしていない記事ということができる。

柴田博士の記事は自説の「メタボあるいはその予備軍と判定された人に対しては、特定保健指導を行なうことを義務づけた。・・・現実問題としては、指導などしなくても何の支障もないのだ。しょせんは、霞ヶ関で創作された病気に過ぎないのだから。」という部分を強調するため、心臓病学会の見解を紹介しなかったのではないだろうか?

また後半で柴田博士は「メタボという『虚病』を理由に生活習慣病の薬がばら撒かれサプリメントが売りさばかれる。メタボは、カネを生む装置なのだ。・・・医者が足りていない。他にやるべきことがたくさんあるのに、欧米が『根拠なし』と断じたメタボ対策に邁進する必要があるのか。」と述べている。

「メタボを理由に生活習慣病の薬がばら撒かれる」という問題の指摘については賛成であるが、欧米がメタボ対策を根拠なしと断じたかどうかは不明である。

メタボリック症候群の存在を否定する米国糖尿病学会は、メタボチックな人を「前糖尿病」と位置付けているのであり、糖代謝の異常やその原因となりうる内臓肥満が容認されている訳ではない。

その対策として薦められるのが、運動とカロリー過剰にならない食事だ。ただし医者はこれらの指導を行なっても、あまり診療報酬を取ることができない。患者にしても大変な努力を強いられる。従って抗コレステロール剤などが安易に投薬されるのである。

柴田博士の激論の強引さには抵抗を覚えるけれど「どんな薬にも副作用がある。無用な薬は飲まない方が良いに決まっている」というご意見は全く同感である。

薬も自分で判断して飲むべきだし、エライ人の高説も裏をとって判断するべきであるということを教えてくれる記事だった。

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残雪の谷川岳で遊ぶ

2011年05月06日 | 

ゴールデンウィーク後半は、上越の山とスキーで過ごすことにした。一日目が谷川岳、二日目が平標山、三日目が神楽でスキーである。5月3日午前5時30分自宅をマイカーで出発し、所沢でNさんをピックアップ。事故で渋滞する関越自動車道を前橋ICで降りて、国道17号を走り、9時5分に上毛高原駅に到着。ここでレンタカーを借りる新幹線組と待ち合わせた。ロープウェイで天神平に登り谷川岳を目指し、スキー場右端を登り始めた。午前11時である。天気は曇。予報では夕方雨だ。

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急斜面を登り切ると谷川岳が見えた。ルートは左側から逆9の字に伸びている天神尾根だ。

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12時8分熊穴沢避難小屋到着。既に小屋の屋根が姿を表している。数年前の4月初旬に谷川岳の頂上から熊穴沢を滑降した時は小屋の姿が見えなかったが、GWになると雪はかなり少なくなっている。避難小屋手前に一ヶ所残置ロープのある岩場があるが、ほぼ問題なく通過した。

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避難小屋からは頂上まで一気の登りだ。特に肩ノ小屋直下の斜面はきつい。

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会社の仲間を中心としたこの山の会もかなり雪山登山の回数を重ねてきたので、足取りはしっかりしている。

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肩ノ小屋付近から万太郎山(左端)を見るとトラバースする登山者が見えた。万太郎山から縦走してきたのだろうか?

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13時55分山頂(トマの耳)到着。頂上付近は霧が深く眺望はなかった。肩ノ小屋の横でお湯を沸かして、コーヒー・ココアを飲んで下山開始。ここで我々より少し年齢が高い男女3人組の登山者と言葉を交わした。露営用の大きな荷物なのでどこに行くのか?と聞くと平標山まで縦走するという。我々は今夜猿ヶ京温泉に泊まり明日平標山に登るという軟弱?路線だが、60代半ばでも大きな荷物を持って谷川連峰を縦走する彼等にただ敬服。

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下りは早い。14時48分熊穴沢避難小屋が見えてきた。

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降るとともに視界が広がってきた。写真は西黒沢源頭部。4月上旬であればここを滑る山スキーヤーを見かけただろうが、今日の谷川岳ではスキーを履いた人には出会わなかった。GWは谷川岳の山スキーには遅過ぎる様だ。西黒沢上部で不気味な雪崩の音が響いた。

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午後3時半頃最後の小さな登りで天神平スキー場の横に出た。ここでポツポツと雨が降り出した。3時50分頃ロープウェイ駅到着。雨は本降りになった。残雪の谷川岳登山は登り3時間、下り1時間半だった。

私にとって残雪期の谷川岳登山は3回目だ。一回目はかなり若い時にスキーを担いだ単独行。その時は上部はかなり藪が出ていたが、天神平からは田代沢を滑ることができた。二回目は数年前にM君と快晴の中を頂上から熊穴沢まで一気に滑った爽快な山スキー。

雪山はその時々に表情を変える。山を登る僕もメンバーは変わって行く。変わらないものは、上越の雪山に惹かれる心だけである。

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