ベア・トラップとは一般的には「熊の罠」だが、投資の世界では相場の下落を予想してショートポジション(空売り)を取った投資家が、期待に反する上昇相場で、高値で買い戻しを強いられる状態を指す。
FTによると米国の量的緩和第二弾QE2の終了を前に、ドルショート筋がベア・トラップにはまることを恐れてショートポジションの削減を行なっている。
連銀は米国債金利の低下と景気刺激をもくろんで、国債購入を開始して、大量の資金を市場に投入した。量的緩和第一弾前の2008年8月に8,440億ドルだったドル資金は3倍の23,900億ドルに膨らんでいる。供給量が増えると値段が落ちるのは、一般財も通貨も同じこと。投機筋はドルの下落を見越してドルの空売りを続けていた。
だが量的緩和の終了が視野に入ってきたので、投機筋はドルの買い戻しに動いている。シカゴ・マーカンタイル取引所のデータによると、5月17日に至る1週間の内に投機筋はドルのショートポジションを80億ドル減らして255億ドルに落した。
連銀が公表した議事録から投機筋は、QE2の終了のみならず、その先の金融引締めまで視野に入れ始めた。
だが気になるのは米国債の発行限度の問題。8月初旬までに議会が発行限度の引き上げを認めないと理論的には米国債のデフォルトということも起こりうる。当面ドルの大幅な下落も想像しにくいが、ドルが大きく上昇するとも考えにくい。
となれば傾けたポジションを縮小して様子を見る・・・・ということだろうか?