エコノミスト誌にEnd of history and the last womanという記事が出ていた。アジア諸国が豊かになるにつれて、女性は「結婚のくびき」よりシングルライフを好むようになる。その結果出生率が低下する。出生率の低下は人口の減少を招く。現在の出生率が続くといつその国の人口はゼロになるのか?という「机上の計算」を国別のグラフにしたものだ。
香港を例にとって計算してみよう。香港の純再生産率(一人の女性が一人の女性を産む割合)は0.547である。仮に100人の女性集団があるとして、この純再生産率が3世代続くと100×(0.547)^7=1.46・・人となり8世代目は存在しないことになる。
実際の香港の女性人口は375万人で同じような計算をすると、25世代で人口は消滅する。香港の出産可能期間を31.4年とすると、31.4年×25=785年。つまり786年後には香港人はいなくなるというのが、エコノミスト誌の計算だ。
無論これは机上の計算に過ぎない。人口が減少すると生活環境が好転し、出生率が改善するのではないか?と考える人が多いのではないか?
それはそれとして、この机上の計算によると日本人も中国人もタイ人もドイツ人も西暦3500年頃にはゼロとなる。
示されたグラフの中で一番長く民族が続いたのはブラジルで西暦5000年まで存続する。
米国はグラフに登場していないが、これは純再生産率が相当高いということだろう。
総人口で10倍の違いがある日本人と中国人が同じ時期に消滅するとは、机上の計算とはいえ面白いと感じた。