ギャラップが8月11-14日に、アメリカ人は何が長期投資として一番好ましいと考えているか?という調査をおこなったところ、金が一番という人が一番多かった。
金を一番にあげた人の割合は34%、次が不動産で19%、3番目が株・投信で17%、4番目が預金で14%、最低は国債で10%に過ぎなかった。
男女別では男性の41%が金を一番にあげ、女性の28%が金を一番にあげた。
支持政党別では、共和党支持者の39%が金を一番にあげ、民主党支持者は31%が金を一番にあげた。共和党支持者は金が好きなのだ。
共和党というと大統領候補選びでちょっとした旋風を起こしているバックマン下院議員が「金本位制復帰」を掲げていた。
金本位制というと、今年の8月15日はニクソン大統領が金本位制を廃止してちょうど40年にあたる。戦争の結果金の保有量が著しく減って金本位制を維持できなくなった米国はそれから、ドル札を刷りまくってきた。その最新版が昨年のQE2だった。
アメリカ人の金選好が高まっている直接の原因は、リーマンショックや昨今の債務上限問題、米国債の格下、超低金利の持続等で不動産・株・国債への信頼が揺らいでいることがあるが、根底には政府や中央銀行の政策で増刷され、価値を落すペーパーマネーに対する不信があるのだろう。
アメリカがにわかに金本位制に復帰するのは非現実的だが、アメリカで金の備蓄が進んでいることも事実。政府もまた金を一番頼りにしているのかもしれない。日本人にとってアメリカ人が長期投資として一番信頼しない米国債を長期投資としてしこたま買うことはあまり賢明ではなさそうだ。