金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

共和党支持者は金が好き

2011年08月26日 | 投資

ギャラップが8月11-14日に、アメリカ人は何が長期投資として一番好ましいと考えているか?という調査をおこなったところ、金が一番という人が一番多かった。

金を一番にあげた人の割合は34%、次が不動産で19%、3番目が株・投信で17%、4番目が預金で14%、最低は国債で10%に過ぎなかった。

男女別では男性の41%が金を一番にあげ、女性の28%が金を一番にあげた。

支持政党別では、共和党支持者の39%が金を一番にあげ、民主党支持者は31%が金を一番にあげた。共和党支持者は金が好きなのだ。

共和党というと大統領候補選びでちょっとした旋風を起こしているバックマン下院議員が「金本位制復帰」を掲げていた。

金本位制というと、今年の8月15日はニクソン大統領が金本位制を廃止してちょうど40年にあたる。戦争の結果金の保有量が著しく減って金本位制を維持できなくなった米国はそれから、ドル札を刷りまくってきた。その最新版が昨年のQE2だった。

アメリカ人の金選好が高まっている直接の原因は、リーマンショックや昨今の債務上限問題、米国債の格下、超低金利の持続等で不動産・株・国債への信頼が揺らいでいることがあるが、根底には政府や中央銀行の政策で増刷され、価値を落すペーパーマネーに対する不信があるのだろう。

アメリカがにわかに金本位制に復帰するのは非現実的だが、アメリカで金の備蓄が進んでいることも事実。政府もまた金を一番頼りにしているのかもしれない。日本人にとってアメリカ人が長期投資として一番信頼しない米国債を長期投資としてしこたま買うことはあまり賢明ではなさそうだ。

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民主党代表選、ピンときませんね。

2011年08月26日 | 政治

今日(8月26日)の参院本会議で菅首相が正式に退任を表明し、民主党代表選へ向けて動きが加速することになる。予定では27日告示、29日投開票ということである。前原前外相が既に出馬を表明しているが、新聞情報によると野田財務相と鹿野農相が午後記者会見を開き出馬と政策を発表する予定だ。

この民主党代表選、民主党の議員達は盛り上がっているかもしれないが、世間一般の関心はどうなのだろうか?次の首相は小泉元首相以降6人目の首相になるが、ほぼ1年程度で交替しているから、ああ今度も1年制首相ね、という程度の関心かもしれない。

財政問題に関して日本はかなり不思議な国である、と私は感じている。というのは国民の約半分が、これだけ財政赤字が続き、国の借金がGDPの2倍にもなれあば、消費税の引き上げも止むを得ないと感じている時に、野田財務相以外の代表選出馬者が、早期の増税に反対の姿勢をとっていることだ。その影響を受けて野田氏もトーンダウンし始めているから、誰が首相になっても真面目に財政再建に取り組むとは思われない。

財政再建や震災復興よりキャスティングボードを握る小沢氏とどのような距離を取るか?という党内事情が優先されているようだから、ピンとこないのも当然かもしれない。

代表選のフロントランナーと見られている前原氏も立ち位置は難しい。小沢氏と協調しないと票固めは難しい一方、小沢氏に擦り寄ると自派の支持者を失う。野田氏の財政再建路線は正しい主張だが、人物の人気がなさ過ぎる。また唐突な「A級戦犯非戦犯論」(私はこの主張自体は間違っていないと思うが)で、波紋を起こした。泣いた海江田氏はいうに及ばず、いずれの候補者も首相としてピンとこないのである。

とても消費税引き上げという不人気な政策を断固として遂行する力量に欠けている。だが欧州で起きた国債問題は、このまま行くと日本でも必ず起きる問題だ。

だれが次の首相になるとしても、衆院解散・総選挙を行い、財政再建と復興震災のあり方を国民に問い、叶うならば「長期政権」を立て、不人気であっても国民のためになる政策を遂行して欲しいものである。

コメント (4)
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