今週末、つまり今日明日(4月6日、7日)は西日本から低気圧が接近し、相当荒れた天気になりそうだ。春の嵐である。春の嵐は相場にも吹く。昨日の日本株は日銀の金融緩和策を好感して大幅続伸で始まったが、引けにかけて米国雇用統計様子見で減速した。
その雇用統計だが、3月の非農業部門雇用者数は8.8万人の増と市場予想20万人の半分以下にとどまった。また3月の失業率は7.6%と前月より0.1%低下したが、低下要因は働き手が労働市場からドロップアウトしたことによるという好ましからざる理由によるものだった。労働参加率は1979年以降最低水準の63.3%に低下した。
2月まで好調だった非農業部門雇用者数(今年2月は26.8万人のプラス)が、3月になって減速するのは3年連続のパターンで、その後株価の大幅下落が起きた。
市場参加者は過去の悪いパターンを思い出し、マスコミの中にはSpring swoon could be coing soon to economy and stock(SNBC)と書きだすところもあった。Swoonは「気絶、卒倒」というのが本来の意味だが、相場の俗語としては大幅下落を意味する。春の暴落という意味だが、私は春の嵐と訳した。
ニューヨーク・タイムズによると過去2年間の春の嵐は、欧州債務危機により引き起こされたが、今年は原因がはっきりしないと述べる。最近の所得税の増税や、財政支出削減をめぐる政治の停滞などが原因とも考えられるが、発表された経済データからは大きな関連は読み取れないようだ。
毎度のことだが、エコノミストたちは1ヶ月の雇用データだけで多くの結論を引き出し過ぎるのは危険だと警告する。雇用データは特にクセのあるデータでしばしば翌月以降上方修正されることもあるからだ。
またNYTはキャピタル・エコノミクス社のシニア・エコノミストの「仮にこれが例年の春-夏スローダウンのスタートにしても、今年は住宅市場が非常に堅調なので過去に較べ下落程度は緩やかだろうと期待している」という言葉を紹介していた。
ところでここ数日の日米の相場の動きを見ていると、かなりバラバラな動きを示していた。特に日銀新総裁による金融政策決定会合の影響が大きかった。
米国株についていうと、嵐の程度は軽いかもしれないが、これからしばらく風が強い日があるだろう。理由としては「期待先取りの反動」である。大規模な金融緩和政策で経済と雇用のテコ入れを図ってきた米国だが、一本調子には行かないようだ。
さて日本、先週は追い風が吹いたが、風向きは持続するだろうか?