それによると春には金日成の誕生日(4月15日 たまたま今日!)を迎えるということもあるが、春は前年秋に収穫して備蓄していた食料が枯渇する時期なので、海外からの援助を求めるため騒ぎ出す、ということだった。
「春に食料が枯渇する」ということは日本の歴史に照らしても事実であろう。
「プロの戦国研究者が注目する当時の寺社の埋葬記録によると、戦国時代の死亡者数は春先(3~6月)にもっとも多く、夏から秋にかけてなだらなかに減少し、逆に冬から増加してまた翌年の春にピークをつける」(與那覇 潤「中国化する日本」)
與那覇氏によると「毎年大飢饉の状態で、餓死寸前の難民どうしが血で血を洗う争奪合戦をやっていた」のが戦国時代。江戸初期になってそれまでの畑作より収穫量が多い稲作を行う新田開発が進んでようやく人々が飢餓から逃れることができたのである。
江戸幕府が250年間続いた最大の理由は地元で自分の田んぼをきちんと管理していけば基本的には食べていくことができるという社会の枠組みを維持することができたことによる。そしてその枠組みが崩れた(貨幣経済の発展等で枠組み維持が難しくなった)ことが徳川政権の崩壊の大きな理由だ。
北朝鮮を見ると経済政策の失敗で国民は食料不足と飢餓に苦しんでいるが中々内部崩壊しないのが不思議である。矛盾を抱える世界中の国では堪忍袋の緒を切らした人々が暴発しているが、どうして北朝鮮では暴発が起こらないのか?
私もある程度の推測はもっているが、まだ確信の持てる答えを見いだしていない。中々難しい問題である。