金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

北朝鮮は何故春になると暴れるのか?

2014年04月15日 | うんちく・小ネタ
昨日(4月14日)テレビで池上彰氏が「北朝鮮は何故春になると暴れるのか?」ということについて解説を行っていた。
それによると春には金日成の誕生日(4月15日 たまたま今日!)を迎えるということもあるが、春は前年秋に収穫して備蓄していた食料が枯渇する時期なので、海外からの援助を求めるため騒ぎ出す、ということだった。

「春に食料が枯渇する」ということは日本の歴史に照らしても事実であろう。
「プロの戦国研究者が注目する当時の寺社の埋葬記録によると、戦国時代の死亡者数は春先(3~6月)にもっとも多く、夏から秋にかけてなだらなかに減少し、逆に冬から増加してまた翌年の春にピークをつける」(與那覇 潤「中国化する日本」)

與那覇氏によると「毎年大飢饉の状態で、餓死寸前の難民どうしが血で血を洗う争奪合戦をやっていた」のが戦国時代。江戸初期になってそれまでの畑作より収穫量が多い稲作を行う新田開発が進んでようやく人々が飢餓から逃れることができたのである。

江戸幕府が250年間続いた最大の理由は地元で自分の田んぼをきちんと管理していけば基本的には食べていくことができるという社会の枠組みを維持することができたことによる。そしてその枠組みが崩れた(貨幣経済の発展等で枠組み維持が難しくなった)ことが徳川政権の崩壊の大きな理由だ。

北朝鮮を見ると経済政策の失敗で国民は食料不足と飢餓に苦しんでいるが中々内部崩壊しないのが不思議である。矛盾を抱える世界中の国では堪忍袋の緒を切らした人々が暴発しているが、どうして北朝鮮では暴発が起こらないのか?

私もある程度の推測はもっているが、まだ確信の持てる答えを見いだしていない。中々難しい問題である。

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ユニクロ、商品は割安でも株価は割高

2014年04月15日 | 投資

このブログはWSJの記事Uniqlo Parent Fast Retailing is No Bargainをベースに書いている。

記事が書かれた先週金曜日時点でユニクロの親会社ファーストリテイリングの株価は今年に入って22%下落した。同社の中間決算(2月)は24%の増収ながら純利益は1.4%の減益だった。これは値引き販売強化の結果だ。

同社の予想収益に基づく株価収益率PERは34倍で、世界的にみた競争相手であるスペインのインディテクス(ザラ)の25倍や米国のギャップ13倍よりも高い。

さらに株価との相関関係が高いとされるPEGレシオ(株価収益率を一株当たり株価の予想成長率で割ったもの)でみると、ファーストリテイリングは3.5、インディテクスは2.5でギャップは1.1だ。

PEGレシオが低ければ割安、高ければ割高である。

ピーター・リンチ氏は「株価が適切に評価されている企業の株価収益率は成長率に等しい」と述べている。

PER=成長率として、両辺を成長率で割ると

株価成長率/成長率=PEGレシオ=1となる。つまり理論的にはPEGレシオが1以上であれば割高、1以下であれば割安と考えらえる訳だ。

業種によってPEGレシオは異なるが、同業の中でもファーストリテイリングは相当割高と判断される訳だ。

記事はファーストリテイリングが日経平均225の1割を構成する銘柄であるため、同社の株価下落が日経平均225の下落を加速する問題も指摘している。

このような問題を避けながら効率よく日本株に投資するのであれば、JPX日経インデックス(上場約3,400社の中から投資家に魅力的な400社を選択した指数。時価総額ベースで加重平均)のETFを購入する方法が考えられる。

またPEGレシオの低い株を集めるGARP(Growth At a Reasonable Price)戦略に基づくアクティブ投信もあるようだが、これについては私は詳しくないので今日の話はこのあたりで終わりにする。

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