金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

往年のリアル・クライマーと飲んだ一夜

2015年09月02日 | ライフプランニングファイル

昨日(9月1日)目黒の東京 土山人という蕎麦屋で6歳年下の往年のクライマーSさんと楽しいお酒を飲んだ。

Sさんは私が顧問を務めている建設コンサルタント会社の役員さんであり、私が山好きだと聞いてお誘いを頂いたものだ。

Sさんのクライマーとしての経歴は凄い。高校時代に山岳部に属しながら社会人山岳会に入り岩登りを始めその後無雪期・積雪期を通じて日本の名だたる岩壁を踏破されている。

ビールで乾杯した後、Sさんがおもむろに古い本を見せてくれた。RCCが作った岩場ルート集で、Sさんが登ったルートが赤線でマークされていた。

その中の幾つかのルート、例えば穂高の屏風岩第1ルンゼなどは私も登ったことがあるが、ロッククライマーとしての経歴はSさんの方がはるかに上だ。例えば私は遭難事故で有名な谷川岳の一ノ倉沢の岩壁に取り付いたことがないが、Sさんは一ノ倉を代表する衝立岩を登っている。凄い往年のクライマーと出会ったものだ、と感心そして感動。

山仲間とお酒を飲むことは多いが、これ程の登攀歴を持った人と飲む機会はまずない。いや一人思い出した。その人は去年ネパールトレッキング中に偶然お会いした愛知県のMさんだ。Mさんの詳しい登攀歴は存じ上げないが、冬の剣岳に遭難救助で長期間入山されたことや、海外遠征隊の隊長を務められたことを聞くと凄いクライマーだったのだな、と推測はつく。Mさんの凄いのは過去だけではない。今もヒマラヤトレッキングを続けられているところが凄い。Mさんとはネパールの山小屋で2度ばかり盃を傾けただけだが、機会があれば是非また山のお話をしたいと思っている。

国内登攀歴ではSさんに劣るが、海外遠征歴を加えると大学山岳部の先輩・井上さんも素晴らしいアルピニストだった(過去形でいうと失礼かな?)。

大学山岳部の仲間でいうと5,6年後輩に中川君という体力抜群で岩登りの上手い男がいる。登攀歴ではSさんに劣るが、彼の体力・技術は中々のもので、私も彼を頼りにしながら、年に1,2回山スキーや沢登りに出かけている。

ここまで書いてきて気がついたのだが、紹介した方々は皆さん、理工系の方でお仕事でも技術畑を歩まれた方が多い(一人カレー屋さんの社長もいるが)。

数々の海外遠征で名をはせた京大山岳部もサル学者など理系の人の活躍が目立つ。

優れたクライマーやアルピニストに理工系の人が多い(少ないサンプル数で断じて良いかどうかは疑問だが)のは、必然なのかもしれない。なぜなら先端的な登山は常にその時の先端的な科学技術を取り入れて行われるからだ。また先端的な登攀では、冷静沈着・客観的判断が求められる。どうも理系に求められる資質とクライミングに求められる資質は共通点が多いようだ。

文系の登山は、どちらかというと詩的・放浪的なのだろう。良く言うと気楽・気まま、楽しみ重視。悪く言うと計画性やストイシズムに欠けると言えるかもしれない。

私が第一級のクライマーになれなかった理由も私が文系的な人間だったことによるのかもしれない。(笑)

仕事に就いても、文系人間は「営業」「人事」など人を相手にする分野が多く、技術的向上心に乏しくなり、つい目線は組織の階段を登ることに向いてしまい、厳しい岩壁を攀じることを忘れてしまう(言い過ぎですか?(笑))

ともあれ一夜明けても色々なことを考えるSさんとの素敵な一夜だった。

 

 

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海外旅行の始まりと終わりはタクシーから

2015年09月02日 | 旅行記

ここ数回の成田発の海外旅行について、私はJR吉祥寺駅からリムジンバスを使うことにしている。

自宅から吉祥寺駅までは、バス便があるが、荷物が多い場合やワイフと一緒に行く時はタクシーを使う。日頃吉祥寺までタクシーに乗ることはないから、非日常としての海外旅行はタクシーに乗るあたりから始まるといってよいだろう。

この最初に乗るタクシーの運転士さんの対応が良いと旅行全体がうまく行くように感じ、逆に対応がしっくりこないと旅行中にトラブルが発生するのではないか?と多少の不安を覚えることがある。無論縁起担ぎ以外の何物でもないのだが。

先週カナダに行った時、吉祥寺まで乗った年配のタクシーの運転士さんの対応は良かった。まず気持ち良くトランクを開けて、荷物の積み下ろしを手伝ってくれた。

山からの帰りに最寄りのJR駅から自宅までタクシーを使うことがあるが、時々面倒くさそうにトランクを開ける運転士がいる。楽しい旅の終わりに水を差す嫌な瞬間だ。

タクシーを使うのは大きな荷物を持っている時や強い雨が降っている時である。客が大きな荷物を持っているとサッとトランクを開けるのが、プロフェッショナル・マナーと思うのだが、時々マナーに欠ける運転士がいることは残念な現実だ。

さて吉祥寺までのタクシーに話を戻すと、田無駅から武蔵野大学の前を通り、五日市街道にでるという信号の少ない裏通りを走ってくれた。マイカーを走らせる時はこのような狭い道は通らず、青梅街道から吉祥寺通りに入るのだが、距離は長くなる。この運転士さんは黙って最短コースを走ってくれた。良く道を知っている運転士さんだったのだ。

★   ★   ★

数日のカナダ旅行の後、リムジンバスで吉祥寺駅に戻り、アトレの中の成城石井で晩御飯を買ってからタクシーに乗った。吉祥寺駅のタクシー乗り場は、信号のすぐ手前にあるので、赤信号だとタクシーが溜まり、乗客の列ができるという具合に構造的な問題がある。

我々も少し並んでからタクシーに乗ろうとした。その時若い運転士さんがサッと降りてきて、トランクを開けテキパキと荷物を積んでくれたのでちょっと感激した。車に乗って「オタクはMKさん?」と聞くと「いえ、KMです」という返事が返ってきた。

この運転士さんは行きの運転士さんよりおしゃべりで「吉祥寺駅のタクシー乗り場の改善を関係者に呼び掛けています」とか「タクシーの営業免許が地域限定制なので、復路にお子さんを抱えてタクシーを待っているお母さんがいても乗せてあげることができない。営業区域の拡大を要望したい」などとタクシー事情について色々話をしてくれた。

「タクシーは安い乗り物ではありませんから、できるだけ気持ち良く乗って頂こうと務めています」と運転士さんはいう。

おしゃべり過ぎる運転士さんには疲れることがある。特に「客が少なくなった」などとボヤキばかり聞かせれると旅の疲れがかさむ思いをすることがある。

だけど帰路の運転士さんの対応は良かった。恐らく私が話を聞くことに好感を示したので、話を続けてくれたのだと思う。

短い海外旅行でも仲間内しか日本語を話さないので、他人との何気ない会話に新鮮さを覚えることがあるものだ。

旅の終わりに良いタクシードライバーさんに巡り会えたことは、楽しかった旅に良い思い出を添えてくれた。

 

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