金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

自分を強くする山登りとは・・・

2015年10月15日 | 

登山愛好家が長生きするかどうかは分りません。あまり危険でなくかつあまりハードない登山が健康促進にプラスであることは間違いないと思いますが、多くの登山愛好家は酒好きでよくお酒を飲みますので、登山愛好家が山登りをしない人より長生きするかどうかは分りません。

しかし「目標を持った山登りを続けると自立した人生を送る上でプラスになる」と私は確信しています。残念ながらそれを裏付ける統計的なデータは持っていないのですが。

自立とは「自分でモノゴトを判断し、自分の面倒は自分で見ること」とここでは定義して置きましょう。自立するには自律が必要です。自律とは「自らを律する」ことで、私は「明確な目標を設定する」ことと「その目標を達成するために自分を鍛える」という二つの要素で構成されていると思います。

登山にはこの二つの要素があります。もちろん「目標」は年齢とともに変わります。若い時はどこそこの岩壁を攀じ登るとかヒマラヤのどこそこのピークに登るといった高い目標を掲げていた人も年とともにその目標を下げざるを得ません。

齋藤隆さんは「孤独のチカラ」という本の中で次のように書いています。

「年齢によって人生と夢との折り合いのつけ方は変えた方がいい。それがうまくできないと、自分はだめな人間、夢を実現し切れなかった人間として、結局いつまでも自己否定をしてしまう。挫折しかけた場合には、夢の方をちょっとずらしていくなど、大人の工夫が大事になる」

この「夢をずらす」というのは良い言葉と思います。だがずらすためには元の夢を高くしておく必要があると思います。またその夢を実現する力を付けておく必要があります。

山登りについていうと、若い時からやるのであれば、できるだけ困難に挑戦しておくことは大事だと思います。そしてある高みに到達しておけば、夢をスキッド(横滑り)させる余地が大きいと思います。

最近では中高年になってから山登りを始める人も増えてきました。中高年になって厳しい岩登りなどを始めることは余りお薦めできませんが、「新しいことに挑戦する」気持ちは持ち続けたいと思っています。私は近々ボルダリングを始めようと考えています。岩登りは若い時にやっていたのですが、当時はボルダリングという考え方がありませんでした。果たしてどれ位できるか分りませんが、挑戦してみたいと思っています。

楽しい山登りを続けるためには、基礎体力や筋力の維持も大きな課題ですから、時々ジムでトレーニングを行っています。

安全な登山を行うには情報収集力も大事ですし、雪山登山などではGPSなど昔無かった便利な道具を使うことも必要です。そのためには最小限のIT力も必要になります。

また仲間と楽しい山登りを続けるには「情報発信力」や「他者を理解する力」も必要になります。

自分を強くする山登りとはこれらのことをうまく統合する山登りだ、と私は考えています。

そのスタート点になるのは、やはり少し高めの目標設定でしょう。登山の目標設定には「百名山を登る」といった数値的な目標設定もあると思いますが、私はどちらかというと質的な目標設定を好みます。

夏に小屋泊まりで登った山を今度は季節を変えてテント泊でゆっくり登ってみる、などというのも質的な目標設定だと思います。

危なくない範囲でバリエーションルートを登るというのも目標設定です。そのような山登りを続けることができると良いな、考えています。

 

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世界経済の大気入れ替わりの時期

2015年10月15日 | 投資

このところ東京では秋晴れの爽やかな日が続いている。

大気が入れ替わり秋が来たことを実感する。

大気が入れ替わるといえば、投資の世界でも大きな大気の入れ替わりが起きているようだ。こちらの大気の入れ替わりは、夏ごろから顕著になってきた中国など発展途上国の景気減速だ。

WSJにRich Nations lose emerging-markets motorという記事が出ていた。日米欧の富裕国が新興国という経済成長のモーターを失うという意味だ。

オックスフォード エコノミクスによると、中国は世界の貿易の1割を占め、世界経済の成長に15%貢献してきた。ブラジル・インド・ロシアの貿易量は合計で世界の15%を占め、成長率には23%貢献してきたという。

新興国の経済成長の原動力は先進国の中央銀行の超緩和政策により、安い資金が大量に流入したことだ。

だがその流れに大きな変化が起きている。国際金融協会IIFは、過去30年の中で今年は初めて新興国から流出する資金が流入する資金を上回ると予想している。

米国経済の景気回復と雇用改善が持続すると早晩米連銀が政策金利を引き上げるとの予想から、高いリターンを求める資金が新興国から米国に回帰しているのだ。

新興国の経済規模が拡大するとともに先進国経済の繋がりが強くなったことで、新興国の経済成長鈍化は先進国にも大きな影響を及ぼす。

HSBCのエコノミストは中国のGDP成長率が2013年の7.7%から今年は7%に減速し、それは日本の成長率を0.4%減少させると予測している。

IMFは先週新興国の成長鈍化で世界経済全体の成長率は1997-98年のアジア経済危機以降で最も低くなるという見通しを発表した。

世界経済の大気の入れ替わりの中で頼りになるのは、大きな国内市場を持つ米国だが、昨日ウオールマートが発表した利益予想は投資家の予想を下回るもので、株価は10%近く下落した。ウオールマートが利益予想を下げた理由は従業員給与の上昇とeコマースへの投資負担が拡大することだった。

賃金の上昇は短期的には企業収益を圧迫するが、長期的には購買力の上昇を通じて経済成長を下支えするが、投資家としてはそんな悠長なことは言ってられないというところだろう。

恐らくこの世界経済の気圧配置は2,3年は続く可能性が高いと私は考えている。

 

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