金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

「秘密の質問」あれこれ

2017年08月08日 | うんちく・小ネタ

インターネットのポータルサイトであらかじめ設定した「秘密の質問」にあらかじめ設定した回答を「合言葉」として入力し、本人確認をする仕組みを導入しているサイトがある。

たとえばゆうちょダイレクトがそうだ。先日久しぶりゆうちょダイレクトにログインしようとすると「好きな作家の名前は?」と聞かれた。

こんな質問を設定した記憶がないが、多分沢木耕太郎だろうと思い「さわき」と入力した(回答はかな入力となっている)が、エラーがでてしまった。他の作家の名前をあてずっぽうに入力して、トラブルが複雑化してはいけないので「合言葉」を初期化して事なきを得た。

ところで私にとって「好きな作家は?」という質問は難問である。まず好きな作家はジャンル別に複数いるし、また時々に変化している。例えば現在のところ好きな作家は歴史小説では中村彰彦、ノンフィクションでは沢木耕太郎、一般の小説・エッセーでは角田光代だが、時とともに変化していく。

従って私は「秘密の質問」に好きな作家といった質問を設定することはないと思っている。ゆうちょダイレクト側の何かの間違いだったのではないだろうか?

私がはっきり記憶している「秘密の質問」は「母の旧姓」「最初の上司」「初恋の人の名前」である。この内前二者は変わらないので、記憶力が衰えない限り合言葉を忘れることはない。だが「初恋の人の名前」を合言葉に設定するのは中々微妙な問題を含んでいる。

初恋の人は中学時代の同級生の女性(当たり前か?)である。2,3年前約半世紀ぶりに同期会があり、その女性と会った。それは秘めた片恋だったので、その女性は私の初恋の相手だったなどとはつゆ知らないし、まして秘密の質問の合言葉になっているなどと想像もつかない訳だ。だがその人の名を合言葉にしている私は、顔を合わせた時にちょっと面映ゆかった。

半世紀もたつと当時の美少女もおばあさんになっている。あって懐かしいという思いと何となく初恋のイメージが色あせたという微妙な気持ちが交差した。ゆうちょダイレクトから「初恋の人」を聞かれる度にこのことを思い出すので、このような設問を秘密の質問にしたことに今では少し疑問を抱いている。

ひょっとすると「最初の上司」という質問で微妙な気持ちを抱く人がいるかもしれない。幸いなことに私の最初の上司は非常に良い人だったので、その人の名前を思い出すことは今でも楽しい。だがもし最初の上司が嫌な人物で、その人がサラリーマン生活に暗い影を落としている場合などは思い出す度に不愉快になるだろう。そんな訳で「秘密の質問」という本人確認の仕組みには慎重に対応しておく必要があるだろう。

 

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