朝の電車が少し混んできたような気がする。夏が終わり仕事や学業に戻る人が増えてきたのだろう。
私もまた朝から顧問先に顔を出すことが増えてきた。実は今年の夏の初めから顧問先で「プロジェクト・プランナー」的な仕事を引き受けている。
プロジェクトの内容は本社の移転に伴い、IT基盤を強化して(例えば無線LANの充実)デジタルトランスフォーメーションを図ろうというものだ。
プロジェクト・プランナーというのは、プロジェクトの大きな方向に絵をかいて関係者の意識をまとめていく仕事と考えてよいだろう。
プロジェクトマネージャーが実際の工程管理に力を発揮するのに対し、プロジェクト・プランナーというのはもう少し大枠の話を考える役割ではないか?と私は考えている。
ところで今年は3回夏山に行ったが、天候やメンバーの体調から計画通りの登山をできなかったことが多かった。
たとえばかなりの大人数で出かけた日光白根山登山。台風の影響でロープウエイが運休し、登山はもとより山頂駅付近のお花畑の散策もできなくなった。
日光近辺を観光して帰ることになったが、東照宮近辺は多くの人が複数回訪問していて新鮮味がない。
そこで私が提案したのが、大谷石の地下の石切り場を見学する大谷資料館の見学とそこから車で40分ほど北に行った古峰ヶ原の古峰神社の参拝だった。
古峰神社では精進料理を頂くことにした。
二十数名の参加者の内、大谷資料館に行ったことのある人は1名、古峰神社を参詣したことのある人はゼロだったのでこのプランは好評を博した。
登山や観光旅行も一種のプロジェクトだ。プロジェクトは外部要因によって当初の目標を達成できない場合がある。この場合代替プランによって参加者の満足度を最大化するのがプロジェクト・プランナーの腕の見せ所だろう。そのためのスキルは幅広い経験と柔軟なものの見方だ。
他の2つの登山では参加者の体調不良から途中で引き返しや大幅な遅れが発生した。これは猛暑や天候不順による体調不良や高齢化による体力低下が大きな原因だと思われる。
この場合も登山プランの柔軟な組み換えが必要だった。ポイントは個々の参加者のモチベーションを低下させないことだろう。一度や二度の体調不良で今後の山登りが嫌になるようなことがあってはいけないのだ。
デジタルトランスフォーメーションであれ、登山・観光プランであれ、外部要因や内部要因により当初計画の変更を余儀なくされることは多い。
その時いかに代替プランを出して、悪い環境下でリカバリーを図るか?というのがプロジェクト・プランナーの腕の見せ所なのだ。
良いプロジェクト・プランナーになろうと思う気持ちは、私にとって幅広く雑学を学ぶことや柔軟で人に優しい人間であり続けたいと思うことのモチベーションになっている。