「ロジ屋」という言葉はまったく一般的ではありません。ロジスティクスの専門家という意味で私が作った言葉だからです。ロジスティクスLogisticsというのは、元々軍事学の中の兵站学を指す言葉で「輸送・宿営・食料」などの調達・運用を研究する分野です。ひらがなでロジスティクスと書く場合は「物流」の意味で使われることが多いのですが、本来はもっと広い守備範囲を持っている言葉です。
私が「ロジ屋」という場合は、営業部門や生産部門に対する間接部門という意味で使っています。
このエントリーでは、「シニア層の働き方の一つとして間接部門での活用を活かせ」ということを述べたいと思っています。
敬老の日を迎えて新聞等では高齢者の働き方に関する記事が増えています。今日(9月17日)の日経新聞朝刊によると「70歳以上の人が総人口の2割を超え、65歳以上で働いている人は男性で31.8%、女性で16.3%に達し、いずれも6年連続で上昇している」ということです。
記事は「政府は継続雇用年齢の引き上げや年金制度の見直しなどで高齢者の就労を後押しする」と続いています。
政府が高齢者の就労を後押しすることは歓迎ですが、その目玉の施策が継続雇用年齢の引き上げというところに私は発送の貧弱さを感じます。
長年働いてきた職場で同じような仕事をするのは、働く方も雇用する方も楽な面はありますが、マイナス面も大きいと思います。むしろシシニア層が全く違う会社で今までの経験を活かして働く道を積極的に後押しするような施策を打ち出す方が色々な面でプラスが大きいと私は考えます。
その具体的な分野の一つがロジ屋の部門なのです。多くの日本の会社は間接部門ではその会社独自の制度を育んできました。人事制度、社内稟議制度、経費精算システムなどなどです。
しかしデジタル化やクラウドサーバーの利用によるペーパーレス化の時代はそれらの流れを大きく変える可能性があります。
従来は自社の制度に合うようにシステム開発を行っていたのですが、現在ではクラウド版のパッケージを利用することが一般的になりつつあります。パッケージをカスタマイズすることは可能ですが、コストがかかる上に不具合を起こすリスクが高い。そこでパッケージに自社の制度を合わせようとする会社も増えつつあるようです。つまり体に服を合わせるのではなく、服に体を合わせるのです。
実際多くの会社で独自色を出している社内制度というものは、それほど意味がない場合が多いと思います。むしろ単にタコツボ化していることの方が多いでしょう。差別化に意味がないのであれば、コモディティ(汎用品)化しているシステム(コンピュータシステムだけではなく、経費精算の方法などを含めて)を使う方が早くて安上がりなのです。
さてそこでロジ屋の登場です。間接部門が遅れていると思っている会社は、積極的に間接部門で先進的な改革を経験したロジ屋を採用すれば良いのです。
間接部門は業種横断的に共通の業務が多いので、比較的異業種でも働きやすいのではないでしょうか?(もちろん業種ごとに会計上の特性が異なり簡単に行かない場合もありますが)
ロジ屋を活用して間接部門を改革することで会社の基盤を強化することがIT革命の時代に必要なことでしょう。
ただし日本では伝統的に兵站部門が戦闘部門より軽視される傾向があります。歴史的にみれば豊臣政権を支えた石田三成などはロジスティクスのプロでしたが、関ヶ原の一戦で負けたことにより、ロジ屋としての評価も一般的にはあまり高くないかもしれません。
もっと近いところでは、昭和の戦争で大きな犠牲を出した原因は、そもそも戦争をしたという根本的な政策判断を別にすれば、ロジスティクス上の誤りにあります。歴史に学ぶところがあるとすれば、ロジスティクスの軽視に対する反省でしょうね。
話が大袈裟になりましたが、間接部門で知見のあるシニア層を別の企業で活躍できるような制度を作ることが、高齢者の雇用と企業の発展を結びつける一つの方法なのです。