金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

オフィス再開は9月以降に~アメリカの話だが

2021年02月12日 | ニュース
 WSJにアメリカのオフィス再開は今年9月以降になるだろう、という記事が出ていた。このことが経済や色々な業界や個別企業に与える影響を頭に入れて投資プランの参考にした方が良いだろう。
 昨年多くの企業は今年の早い段階でワクチンが投入され、春にはリモートワークからオフィス勤務に戻ることができると予想していたが、現在では多くの企業がオフィス再開日を9月またはそれ以降の月に設定している。またオフィス再開日の特定を拒否している会社もある。
 多くの企業はリモートワークで生産性が向上したと述べている。
 ここは多くの日本企業がリモートワークで生産性が低下したと嘆いているのと正反対だ。
 アメリカ企業の経営幹部が悩んでいるのは「創造性の低下と過労・ストレスによる身心の疲労burnout」である。
 Burnout消耗・疲労困憊はリモートワークの大きなリスクだ。スウェーデンの脳科学者が書いた「スマホ脳」(新潮社)によると「睡眠、運動、そして他者との関わりが、精神的な不調から身を守る3つの重要な要素」なのだ。
 オフィス勤務は実はこの3つの要素に深くかかわっている。会社に行って仕事をすることは、同僚や顧客との関わりを持つことである。お茶飲み場でのちょっとした雑談が同僚との距離を縮め、心地よい気持ちにさせる。
 通勤は負担だけれど運動効果がある。私が会社に行っていた頃は会社を往復し、仕事で少し外出だけで1万歩近く歩いていた。適度の運動と他人との関わりが程よい疲れを生みそれが睡眠につながる。
 つまり適度なオフィス勤務は健康に良いのである。
 昨今テレビを見ていると「とにかくホームステイしてください」という声を耳にするが、話半分程度に聞いておく方が良い。つまり自宅に籠り切っていると感染リスクは避け得る可能性が高い(もっとも家族が持ち帰るリスクはある)が、精神的な不調に陥る可能性がある。精神的な不調に陥ると免疫力が著しく低下するのでちょっとしたことで感染症にかかり易くなるのだ。
 ホームステイによる障害発生は感染症より後発するし、ホームステイと免疫力低下などは因果関係の実証が難しいだろう。したがって目先のリスクを強調する人が多いのだ。本当のリスクは自分で判断するしかないのである。
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