日銀に事務局を置く金融広報中央委員会が去年8月から9月にかけて「家計の金融行動に関する世論調査」を行ったところでは、1,000円以下の決済で電子マネーの利用が大きく増えています。
一昨年には電子マネーを利用した人は18.5%つまり5人に1人以下だったのが、去年には29.6%つまり3人に1人弱の人が電子マネーで決済するようになりました。
電子マネーには交通系のSuicaやドコモ系のd払い、iDなど乱立していて2,3の電子マネーをスマートフォンに入れている人も多いと思います。
PayPayも小売店や飲食店のレジでよく見かける電子マネーですが、私はドコモ系をメインの電子マネーにしているので、PayPayの利用は見合わせていました。ところがたまに買い物をする近くの自転車がPayPayだけを導入したのでPayPayを使ってみることにしました。
PayPayでの支払い方法には「PayPay残高」「Yahoo!マネー」「クレジットカード」の3通りがあります。私は便利そうな「銀行口座からPayPay残高へのチャージ」を行おうと思ったのですが、これは大変手間がかかっています(現在も完了していないので進行形です!)。
まず銀行口座を登録するには「本人確認」が必要で、これはマイナンバーカードか運転免許証(または運転経歴証明書)が必要です。
私はまずマイナンバーカードを使って本人登録を試みました。本人登録はスマートフォンを使ってマイナンバーカードの写真を撮影するところから始まります。ここで真上から撮影する写真は上手くいくのですが、スマートフォンを45度に傾けてカードの厚みを撮影するステップでは大変手間取りました。
でも本当に困ったのは自撮りをしてマイナンバーカードの写真と自撮りした画像の照合でした。2,3回トライしたのですが「不一致」の答が返ってきます。そこで運転免許証に替えて再チャレンジしたところようやく本人確認手続きが終了しました。
ところがです。PayPayからは「審査に1カ月近くかかる」というメッセージが示されました。審査が済むまで銀行口座の登録はできませんから、銀行からのチャージはできません。クレジットカードを利用した決済はできますが。
これには開いた口がふさがりません。
私は半年ほど前海外送金を行うためにTransferWiseというインテック会社のサービスを利用するため、マイナンバーカードを使って本人登録を行いましたが、簡単に本人確認が終了し、直ぐに送金できるようになりました。
どうしてTrasferWiseに直ぐできることがPayPayでは1カ月もかかるのかまったく分かりません。
電子マネーが普及するためには銀行口座との紐づけなど決済回りが整わないといけません。電子マネー普及にはまだまだ山坂がありそうですね。