東京オリンピックについて世論の8割は開催に否定的な意見である(
NHK世論調査による)。
NHK世論調査による)。
先月下旬には英国の有力紙タイムズが「日本政府が非公式ながらコロナ感染拡大のためオリンピックは中止せざるえないと結論付けた」と報じた。これに対し日本政府は翌日そのような事実はないと否定するコメントを発表した。
しかし世界中で「ワクチンの普及状況や変異型ウイルスの脅威を考えると今年のオリンピック開催は無理だな」という雰囲気が広がりつつあると私は感じている。
そんな中で昨日東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長 がオリンピック臨時評議会の席上で「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる。女性は競争意識が強いから、誰か一人発言すると自分も言わないといけないと思うのだろう」と発言した(日経新聞ネット版)
このニュースについては海外を含めて色々なメディアで滅茶苦茶に叩かれているが、一番おとなしそうな日経新聞(ネット)の記事を紹介した。
しかし海外のメディアの批判は手厳しい。
米国の有力紙ワシントンポストはTokyo Olympic chief says women talk too much at meetings, call it 'annoying'という見出しで森会長の発言を批判している。
Annoyingは「うるさい」「迷惑だ」「忌々しい」という意味で、全体として「女性は会議で発言し過ぎて、うるさくて迷惑だ」ということになる。
日経新聞の記事より手厳しいが、これはかって森会長が首相だった時、2000年問題(コンピュータが誤作動を起こす懸念があるといった問題)に関連して「アメリカでは停電が起きると常に殺人者が出現する。アメリカはそういった社会なのだ」と発言したことがアメリカを侮辱したと今でも思われているからだ。
「江戸の仇を長崎で打つ」的な気もするが、侮辱に対するアメリカ人の怒りは簡単に収まるものではないと改めて感じた次第。
今回の森会長の発言が内外のマスコミで大きく取り上げられたのは、それが第一に女性蔑視の発言だからだ。そして第二に国民の「世論を雑音」程度にしか聞いていないオリンピック委員会の独断的行動に不満が爆発したことにある。
だがひょっとしてもし自分の口からオリンピック開催を中止すると言い出せない森会長が打った大芝居ということはないだろうか? いやそんなことはないでしょうね。
ただ私は森発言が引き金になってオリンピック開催見直し論が高まるのではないか?と考えている。